ルール3:与える目的を考える
人に与えるという行為に義務感や自己犠牲が伴っている場合、与える行為によってあなたが得られるエネルギーはとても少なくなってしまうことが「GIVE&TAKE」の中で語られています。
では何を原動力に人に与えることを考えていけばよいのか。
それはあなたの純粋な喜びです。
この人の笑顔が見たい。
やってあげることが自分の楽しみだ。
与えることが気持ちがいい。
その気持ちで他者思考的に与えていきましょう。
ここで、アメリカ経済誌「フォーブズ」の世界長者番付にも名を連ねたことがある大富豪、約1000億以上の寄付を行ってきた成功者ギバー、ジョン・ハンツマンの言葉を紹介します。
彼は著書「賢いバカ正直」になりなさい 信念の経営者ハンツマンの黄金律のなかで、こんな言葉を残しています。
これまでの人生で、経済的にもっとも満足のいく瞬間は、大きな契約を結んで舞い上がったことでも、そこから利益をものにしたことでもない。
ジョン・ハンツマン
それは、困っている人を助けられたことである。
与えれば与えるほど、ますます気分がよくなる。
気分がよくなればなるほど、ますます与えることが容易になっていくのだ。
ハンツマンのように喜びの気持ちで与えることが大切なのです。
「WE」という全体の豊かさを考えた時、「WE」の中からあなたを排除してはいけません。
また、経済の専門家であるアーサー・ブルックスは、収入と寄付金の関係を調査しました。
その結果、寄付金は1ドル増えるごとに収入が3.75ドルも高くなったことが判明したのです。
より多く与える人は、より多く稼ぐ傾向があります。
人を助けることにより、幸福感が上ることを心理学用語で「ヘルパーズ・ハイ」と言いますが、「喜びの気持ちから人に与えることで、お金を稼ぐ気力」を手にすることができるのです。
ルール4:与える時間のルールを決める
テイカーを避け、与えるべき人に「喜び」の気持ちで与える。
それだけではなく、与える時間のルールを決めていくことが大切です。
そのルールが次の2つです。
- 与える時間をまとめる
- 100時間ルールを設ける
このルールがなんのためにあるのかの目的をお伝えします。
それはあなたの「与える喜びの気力」を最大限に発揮するためです。
他者思考型ギバーは親切をする時間をまとめて行っています。
まとめることで、与える時間はそれだけに集中ができ、また日常の振る舞いとの差別化もできるため与えることでの喜びや特別感も得やすいのです。
自己犠牲型ギバーは相手に求められるまま、その都度、相手の都合に合わせて与える傾向があり、疲労感も大きく、本人の気力が奪われてしまい、与えることの喜びに通じていかないのです。
次に、「年間100時間ルールを設ける」ことを意識していきましょう。
この100時間というのは「与える行為」においてのマジックナンバーになります。
年間100時間は割るを週わずか2時間です。
「GIVE&TAKE」中では、年間のボランティア活動を通して、技術的・社会的・組織的知識やスキルが獲得できたかについて調査を行っています。
結果、週2時間をピークに減少を続け、週11時間を超えると学ぶこともなくなってしまったのです。
与える側・受け取る側の心地よいと感じるラインが週2時間の親切です。
それ以上を超えると、個人の気力を逆に奪い、あなたの喜びの度合いが軽減していくため、与えるという行為も継続しにくくなってしまいます。
あなたのために、与える時間の2つのルールを意識していくことが大切です。
「他者思考型ギバー」になるためにやってはいけないこと2つ

「他者思考型ギバー」になっていくためにやるべきことがあるように、やってはいけないことというものもあります。
それが
- 共感しすぎること
- 受け取らないこと
です。
それぞれを深く見ていきましょう。
共感しすぎること
まず、自己犠牲型ギバーは優しすぎるために、人をおもんぱかるあまり相手の気持ちに寄り添いすぎてしまうことがあります。
そのため「自分よりも他者のニーズを優先しすぎてしまう」ことがあります。
その結果、自分の利益を犠牲にして与えすぎてしまうのです。
これを商売で見ていくと、お客のために自分の利益を度外視して商品やサービスを売ってしまうことになります。
このようなやり方は数を売ったところで、あまり利益には繋がっていきません。
他者思考型ギバーは「相手側の利益」を追求していきます。
すると、「相手側の利益」と「自分の利益」の双方に沿った提案をしやすくなっていくのです。
相手の気持ちに「共感しすぎる」のではなく、相手視点から物事を見ていくということを意識していきましょう。
また、自己犠牲型ギバーの中には、自己肯定感が低く、自分のことを二の次に人に与えてしまうケースもあります。
カウンセリングなど自己肯定感を養っていくことで、自己犠牲のパターンを抜け出していけますので、自分と向き合っていきたい方はご検討ください。

受け取らないこと
自己犠牲型ギバーは他者思考型ギバーよりもはるかに助けを受け取る量が少ないことも分かっています。
申し訳ない
そんな気持ちから、相手からのお礼を受け取れないと、精神的・肉体的ダメージを受けやすく、燃え尽き症候群(バーンアウト)の引き金になってしまいます。
そのために普段から受け取るということを意識していきましょう。
周囲からのサポートを受け取ることは永続的に与える強力な特効薬になっていきます。
まとめ〜成功するいい人「他者思考型ギバー」になるための結論〜

いかがだったでしょうか。
成功するいい人「他者思考型ギバー」は、ただ与えるだけでなく戦略を持っています。
その戦略が「WE」のために与えていくということです。
彼らは、自分を含めた全体の喜びのために、テイカーを避け、与え方のルールを決めているのです。
彼らに近づくため、表面的な行動を真似るだけでなく、彼らが持つ「WE」視点に着目しながら、次のことを行っていきましょう。
- 自分のタイプを診断する
- テイカーを避ける
- 与える目的を考える
- 与え方のルールを決める
そして、自己犠牲型ギバーが陥りやすい罠の2つにハマらないようにも考えていきましょう。
- 共感しすぎること
- 受け取らないこと
最後に。
成功する善良な人「他者思考型ギバー」になっていきたい人は、「GIVE&TAKE」を手にして見てください。
ここで書かれている思考は、時代がいかに変わろうとも変わらない人の成功の本質です。
きっとあなたの魂にも火が点くことでしょう。
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