傷ついたインナーチャイルドが与える影響
インナーチャイルドが傷ついていると、人生に様々な望まない影響をもたらしてしまいます。
インナーチャイルドとは、例えるなら、家の「基礎」です。
いくら立派な家がその上に建とうとも「基礎」がもろかったり、傾いていたりすると家も安全なものではなくなってしまいます。
それでは、人の基礎であるインナーチャイルドが与える影響について具体的に見ていきましょう。
影響1:対人関係の支障
日常生活におけるあらゆる問題の裏側には必ずといっていいほどインナーチャイルドの存在があります。
その問題のメインが対人関係です。
なぜなら、人のなかで傷ついたインナーチャイルドは人のなかこそ反応しやすいからです。
以下、一例を出していきます。
- 不信感
- 依存
- 主従関係
- 過度な緊張
- 嫌われることへの恐怖
- 人前で思ったことを発言できない
- 着目を浴びるために自分を傷つけてしまう
- 気を使いすぎてしまう
- 人との距離感が掴めない
- 人の話が聞けない
など…
かつて傷つけられた状況や人に似たようなシチュエーションに遭遇するとそこで傷が反応をしてしまうのです。
ひどいことを言われたのはもう過去なのに、価値観化してしまったインナーチャイルドはそれを判別できません。
そのため、反射のように人に対してネガティブな反応が出てしまうのです。
そういったネガティブな反応は、対人関係において至るところで支障をもたらしてしまいます。
影響2:強すぎる善悪感情
インナーチャイルドはあなたの思考パターンを作り出します。
- 〜でなくてはいけない
- 〜してはいけない
このような思考パターンの時はインナーチャイルドが強い影響を及ぼしています。
例を出すと
- 楽をしてはならない
- いい人でなくてはいけない
- 失敗してはいけない
- 迷惑をかけてはいけない
- 必要以上に贅沢をしてはいけない
など…
これは、本人のなかの「善悪」を表しています。
けれど、「〜でなくてはいけない」「〜してはいけない」といった強すぎる善悪感情は、自分と他者を責める結果になってしまいます。
なぜなら、「楽=悪」のように思っていると、がむしゃらに働いて、ヘトヘトでも、休むことがはばかれてしまいます。
そして、「楽」をしている人を見ると、その人を非難したくなっていきます。
なぜなら、その人のなかで「楽」はしてはいけないことだからです。
自分と他者を責める思考が物事や対人関係によく働くはずはありません。
強すぎる善悪を持つことで、同時に対人関係にも問題は多くなっていきます。
影響3:自信が持てない
インナーチャイルドが傷ついている状態の時、人は往々にして自信がありません。
自信とは自分を信じること。
そして、自分を信じるとは、「私はできる」とか「僕はすごい」といった必要以上に自分を大きく見せるものではなく、そのままの自分で価値があるという存在の価値を信じている状態のことです。
自分の存在自体に価値がある。
存在の価値を信じられていると、自分は周囲に受け入れられているという安心感があります。
また、存在の価値を信じられていると、自分は周囲に愛されているという絶対の信頼があります。
そして、なにかができるからとか、人より優れているからとか比較対象がなくても、自分はそもそも特別な存在であるという信念があり、新しい挑戦もしやすくなります。
自信があるということは、それだけで発展がしやすくなるのです。
けれど、過去、自分を否定してきた人の言葉で自尊心が傷ついてしまうと、そもそもの自分の存在に価値を感じられなくなってしまいます。
自信がないと、自分が「人に認められるためにがんばる」というがんばる目的が、自己発展のためではなく、他者からの承認になってしまうのです。
そのため、「できなきゃダメ」「失敗はダメ」「迷惑かけてはダメ」と必要以上に自分を追い込んでしまうこともあります。
また、自分ができない存在だと思われたくなくて、周囲に虚勢を張ることもあります。
どちらも無理をしているので、人のなかで疲れやすくなってしまいます。
また、自信があると挑戦をしやすいと伝えましたが、自信がないと未知の挑戦も失敗への恐怖が先立ち、しにくいものになってしまいます。
傷ついたインナーチャイルドがあると、自信の欠落とともに、それに伴う様々な支障が出てきてしまうのです。
影響4:生きづらさを感じやすい(他人軸で生きてしまう)
傷ついたインナーチャイルドがあると、「自分」というものの価値が低くなるため、
「自分」を祖末に扱い、「自分」より他者を優先させてしまいがちになります。
たったひとりの尊い存在として生まれたはずなのに、その自分を大切にできず、自分の願いを叶えることもわがままに感じてしまう。
これを他人軸と言います。(反対語は自分軸)
他人軸で生きることは、「ここにいてもいいですか?」「これをやってもいいですか?」と他者にお伺いを立てるような生き方です。
生きづらさを感じやすく、自分自身の人生を謳歌できないことと同義なのです。
インナーチャイルドが傷ついていると日常だけでなく、人生や生き方そのものに課題や困難を抱えやすくなってしまうんだね。
そうなんだよ。
だから、インナーチャイルドを「癒す」ということをして、
自分の基礎をより健やかなものに作り直す必要が出てくるんだ。
インナーチャイルドを癒すには
インナーチャイルドの癒しとは、傷ついてきた感情を感じきることで起きていきます。
これを「未完の完」と言います。
インナーチャイルドは価値観やセルフイメージであるということは冒頭で述べましたが、これは人の潜在意識のなかにあるものです。
潜在意識には大きな特徴があります。
そのひとつが「時間の概念がない」ということ。
潜在意識のなかでは、それが解消できていない内は、過去のこともずっと引き摺ってしまうのです。
そのため、インナーチャイルドセラピーなどでは、イメージのなかで過去に立ち返り、未解決だった感情を発散することでインナーチャイルドの癒しを行っていくのです。
インナーチャイルドセラピーは、自分でも行うことができます。
コツもありますのではじめはカウンセラーにやってもらうことをおすすめします。
「光の心理学」でもオンラインカウンセリングを行っていますので、フィーリングを感じていただけた方はお気軽にお尋ねください。
また、自分で癒しを進めていきたい方は以下の記事も参照ください。
筆者の場合のインナーチャイルド
最後に、筆者の場合のインナーチャイルドの原因と日常への影響についてお話します。
筆者は心理学の勉強を約8年行い、心理学専門のブロガーとして活動しています。
また、自身がアダルトチルドレンだった経験を活かして、カウンセラー活動もしています。
そんな筆者のインナーチャイルドは、私の家庭環境から生まれていきました。
私はシングルマザーの元に育ち、中学の頃に親が再婚をしています。
幼い頃は貧しかったため、親に迷惑をかけないように、困らせないようにと自然と我慢癖を身につけていきました。
その後の親の再婚離婚を経て、家庭環境の大きな変化に、安心感が育たない状況が続きました。
そうした経緯から、私は人のなかで安心感を感じられない大人になりました。
受け入れてもらっているとか、愛されているという感覚が乏しく、人間関係のなかでもいつも過度に緊張をしていました。
つき合う男性には決まって媚びへつらうクセがあり、関係性はフェアではなく、主従関係に陥りやすかったのです。
当然、そんな関係は長続きしませんでした。
そういった問題を見ていった時、原因は傷ついたインナーチャイルドにあることが分かってきました。
私はそこで、インナーチャイルドセラピーを受け、自身でも心理学に没頭していきました。
インナーチャイルドが癒される程、これまで問題だったものが見事になくなっていきました。
私は現在、パートナーと尊重しあう関係を築き、周囲にいる人にも支えられ、愛され、満たされた日々を送っています。
そして、ブログで自身が克服したアダルトチルドレン問題の解決の糸口を発信しているのです。
まとめ
インナーチャイルドが傷つく原因と傷ついたインナーチャイルドが与える影響について見てきました。
インナーチャイルドはその人の人となりをつくる基礎の部分です。
目の前の問題解決を望む時、自身の思考・価値観に目を向けていくと問題の解決スピードが早くなっていきます。
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