鏡に映る価値観3:自分の正義感
人はそれぞれ「これよかれ」という正義感を持っています。
心理学やカウンセリングの世界ではそういった「これよかれ」という判断をすることをジャッジをすると言います。
そして、ジャッジを止めていきましょうと言います。
なぜ、これよかれというジャッジを止めていく必要があるのか……。
それは、行き過ぎた正義感は同時に「これはいけない」という悪を作り出してしまうからです。
自分のなかの正義感を強く握りしめてしまうと、時に人を非難したくなってしまいます。
なぜなら、人を判別できない潜在意識のなかのマイルールは他者へも同じように適用されてしまうから……。
「こんなこと間違っている!」「あなたはいけない!」と人を非難したい時、あなたの強すぎる正義感が発動している可能性があります。
そういう時は、相手を裁いても現実は変わりません。
善悪の裁判はあなたのなかで行われていることなので、まず、自分の心のなかと対話をしてみましょう。
- なぜ目の前の相手が赦せないのでしょうか?
- どうすることがあなたの正義なのでしょうか?
- あなたの正義を貫くことで守りたいものはなんなのでしょうか?
- あなたの正義を貫くことで叶えたい願いはなんなのでしょうか?
あなたの正義感には必ず、「願い」と「目的」があります。
それを自分との対話のなかで見つけ出してあげてください。
素行の悪い人を裁きたい時、例えば、あなたの正義感は「だって、良い子にしないと愛されないと思った……」と言うかもしれません。
正義感の本音と聞き出せたら、次に正義感が欲しがっているものをあなたが与えてあげてください。
上の例の場合は、良い子にすることで「愛」を欲しがっているのです。
十分に「愛」を感じ、満たされると正義感は落ち着きを取り戻して、他者を裁かなくても済むようになります。
正義感は「●●じゃないといけない」と思っている訳があるよ。
その訳を聞いて、本当に欲しがっているものを与えてあげよう。
例:「良い子にしないと愛されないと思った……」と言うのなら、あなたが「愛しているよ」と言って自分を抱きしめてあげるんだ。
また、正義感が強すぎる人は脳科学者・医学博士の中野信子さん著の「人は、なぜ他人を許せないのか?」もおすすめ。
こちらは 脳科学の面から「赦せない!」という人の感情を紐解いた興味深い一冊です。
自分と脳を理解し、心穏やかに生きるコツが散りばめられています。
鏡に映る価値観4:自分の肯定感
鏡に映るものはこれまで伝えてきた課題だけではありません。
「この人すごいなぁ」
「憧れるなぁ」
「好きだなぁ」
そんな肯定的な感情が湧く理由は、自分のなかにある肯定的な自分像を他者のなかにも見つけているというサインでもあるのです。
特に憧れという気持ちを持っている場合は、その憧れている人と同じ要素があなたのなかにもあるということ。
真似るという言葉は、元々学ぶと同じ語源の「まねぶ」から来ていると言われています。
その人の行動や考え方を真似て学ぶ「まねぶ」ことで、憧れのその人の思考や行動に近づいていくこともできます。
鏡に映った肯定的な感情を利用して、自己成長に繋げることもできるのです。
鏡のなかの憧れは、あなたが認めている自分のなかの光が他者に映り込んだもの!
真似て学んで、自己成長に繋げよう。
鏡に映し出された“自分”との向き合い方
他者と通した鏡のなかには、実にさまざまな自分が映し出されています。
自分が否定した自分、大嫌いな自分、こうじゃなきゃいけないというルールや正義感まで……。
けれど、大切にしてほしいのは、それがいい悪いということではなく、「すべては本来の自分に還るために与えられたチャンスだ」という基本姿勢です。
嫌っている相手がいたとして、その相手に自分の影が映し出されていたとします。
そうした時、「見たくない自分だ」と逃げ腰になるのではなく、可能な限りでいいので「これは私が嫌ってきた影の自分が、目の前の他者を通して私のなかに還りたがっているんだ……」と捕らえる癖をつけてみてください。
そう思えるようになると、自分の影を愛す努力も惜しくなくなり、結果、物事の解決スピードが早くなっていきます。
そして、影の自分を受け入れられると、似たような他者が目の前に現れても過剰反応をしない自分に自然となっていくことができるのです。
それを繰り返すことで自己成長になり、人としての器が広がっていきます。
“人は鏡”
その言葉の意味を正しく理解し、鏡に映し出された自分を愛す訓練を重ねてみてください。
そして、自分を愛す訓練で役立つのがカウンセリングの考え方です。
「光の心理学」ではオンラインカウンセリングも行っていますので、どうしても苦手な人がいる、自分自身を乗り越えていきたいと思う方はお気軽にお尋ねください。
【注意点】すべてを好きにならなくていい
最後に、「鏡のなかの自分を愛す訓練」を重ねる上で大切な注意点だけお伝えします。
他者は自分を映し出す鏡であることは事実ですが、すべての他者を赦し、好きになろうとはしないでください。
ここは私が課題に取り組んできたなかで躓いた点でもあるのですが、
「“人は鏡”だ、課題は相手にではなく私のなかにある」
ここまでの考え方はいいのですが、課題を乗り越えた時、目の前の他者を好きになるとは限らないのです。
「過剰反応しなくて済むようになる」というのが正しい乗り越え方です。
そもそも、本質的に合わないものを無理に好きになろうとすると自分が苦しくなっていってしまいます。
「自分のために、自分の課題を乗り越える」が本質であって、自分の感性を無視し、自分に嘘を吐き、すべての人に博愛的になろうとは決してしないように心掛けてください。
苦手な人はこの世界にいてもいいのです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
目の前の課題や嫌いなあの人も本来の自分になるためのプレゼントや訓練だと思えるようになると、見える景色も変わってくるかもしれません。
また、「心理学用語「投影」をやさしく解説!|嫌いな人はあなたの鏡!?|【対処法あり】」や「【つらい!】HSPに対する批判の対処法!バッシング・批判全般にも応用可」では“人は鏡”の法則に関係する言葉、「投影」について詳しく掘り下げています。
合わせて、参考にしてみてください。
コメント