他人軸特有の「嫌われることへの恐怖心」が生きづらさに繋がる

他人軸の人は「嫌われることへの恐怖心」が強く、「あれをやってもいいですか?」「これをやってもいいですか?」と人に過剰に気を使ったり、どう思われているのかを気にして人に怯えてしまう傾向があります。
結果、他人の価値観や世間のルールに振り回され、生きづらさを感じやすくなってしまうのです。
けれど、「嫌われないように」という気持ちから他人に気を配っても、「全ての人から等しく好かれる」ことはありません。
十人十色という言葉があるように、10人の人がいたら、10通りの生き方や価値観があります。
それら全てに合わせることは難しいですし、もし合わせられたとしても、「人に合わせて意見をコロコロ変える風見鶏のような人だ」と自分の意見がないことを嫌う人がいるかもしれません。
例えば、あなたがある挑戦をしたとします。
そのことに対して…
ある人は「がんばれ」と応援します。
ある人は「すごい」と尊敬します。
ある人は「本当にできるの?」と疑問に思います。
ある人は「くだらない」と軽蔑します。
一つの出来事や行動に対する他人の判断はこちらは操作できず、また他人の価値観を変えることもできません。
けれど、「嫌われないように」生きることで、あらゆる人の価値観に振り回され、あなたのやりたいことを遠ざけてしまっているのです。
何をしても好かれることもあれば嫌われることもあります。
何をしても失敗も成功もあります。
何をしてもいいことも悪いこともあります。
だとしたら、自分軸で生きている人のように「〜したい」で動いた方があなたの幸せに繋がっていくのです。
他人軸になってしまう原因

なぜ、他人軸で生きている人は、「人から嫌われないように」生きてしまうのでしょうか。
その原因は、「自分は欠けている存在だ」という自己肯定感の低さにあります。
欠けているから、外側にあるもので自分を満たそうと他者から愛や許しや承認を過剰に欲しがってしまうのです。
逆に「自分は満たされている存在だ」と思えていたのなら、他者から愛や許しや承認を過剰に欲しがる必要もなくなっていきます。
他人軸から自分軸にシフトしていくためには、この「自分は欠けている存在だ」という価値観を変容させていく必要があります。
自分軸で生きていくための4ステップ

それでは、ここから具体的に自分軸で生きていくためのステップをみていきましょう。
ステップ1:自己否定を止める
他人軸で生きている人は自己否定が強い傾向にあります。
ここまで読んでくれた人の中にも、「軸がない自分」を責めてしまう気持ちが働いてしまっているかもしれません。
けれど、他人軸で生きてきたことは仕方のないことなのです。
なぜなら、自己肯定感が低くなる多くの原因は、子供のころに親や周囲にありのままで受け入れてもらえなかったという経験から来ているためです。
安心して、のびのびと家庭や学校の中で過ごせなかった過去は悪いことなどではなく、あなたにとってむしろ悲しかったり、苦しかった経験なのです。
その過去を責めることを止めていきましょう。
ただ、「自分を責めることはいけないことだ」と思いすぎると、「自分を責めてしまったあとでまたその自分を責める」という自己否定のループにハマってしまうことがあります。
そんな時は、「責めちゃったなぁ。でも自己否定しか知らなかったから仕方ないかぁ」と開き直ってしまうことが大切です。
今、自己肯定感が低いことは仕方ないこと。
今すぐ、自己否定を止められないことも仕方ないこと。
それでも、その自分を少しでも受け入れようとしていて偉い!
そのくらいのスモールステップからはじめていってください。
ステップ2:ありのままの自分を受け入れる
自己否定を少しずつでも止められたら、次はありのままを受け入れる練習をしていきましょう。
よい方法がよくマインドフルネスで使われる「ラベリング」という手法です。
古来インドより伝えられる「ヴィパッサナー瞑想」という瞑想法や最近ではマインドフルネスの中で使われる気づきの手法。
やり方は感情が湧いてきたら、その感情に注意を止めて、言語化(心の中で唱えるでもOK)するというもの。
例えば、怒りが湧いて来たら「私は怒りを感じている」と感情に注意を向けて、その感情を心で感じていきます。
他人軸で生きている人は「〜でなくてはいけない」という外側の価値観に縛られているため、自分の気持ちを自由に感じることが苦手です。
けれど本来、人は心で何を思おうが自由です。
ラベリングによって自分本来の気持ちをそのまま感じる訓練を重ねていきましょう。
コツは感じた感情がいかに「酷い」と思えるようなものであってもジャッジをしないこと。
「◯◯さんが嫌いなんだね」「それでいいよ」
と湧き出す感情のありのままを受け止めていきましょう。
ステップ3:やりたいこと・やりたくないことを紙に書き出す
どんな些細なことでもいいので、やりたいこと・やりたくないことを思いつく限り紙に書き出してみましょう。
例えば、こんな具合でしょうか。
- 今週日曜に温泉に行きたい
- 漫画喫茶で死ぬほど漫画読みたい
- YouTubeで動画を配信してみたい
- カラオケに行きたい
- スーパーでいいステーキ肉を買ってみたい
- おべっかを使いたくない
- 約束してしまった合コンに行きたくない
- 今週は家事をしたくない
- 残業をしたくない
- 無理に笑顔でいたくない
やりたいことと同時に、やりたくないことを把握することはとても大切です。
好きなことと嫌いなこと、それらの境界線がしっかり見えるほど、「あなた」という軸が育っていきます。
ステップ4:やりたいことをやり・やりたくないことを止める
最終ステップでは、先ほど紙に書き出した「やりたいこと」を実際にやってみて、さらに「やりたくないこと」を止めてみましょう。
他者からの意見で揺らぐ時はラベリングをして気持ちを落ち着けていきましょう。
特にやりたくないことをやめるのは他人軸で生きてきた人は勇気がいると思います。
これまで愛想を振りまいて、どんな無理難題にも笑顔で優しく対応してきたのに「無理に笑顔でいたくない」ということを実行して仏頂面になった時、あの「嫌われる恐怖心」とまた対面しなくてはいけません。
それでもその恐怖を越え、ぜひチャレンジをしてみてください。
あなたがあなたでありたいという気持ちを一番に大切にできるのはあなたしかいません。
※勇気が欲しい時は、アドラー心理学の名著「嫌われる勇気」を読むという近道も
とはいえ、人から「嫌われる恐怖心」というのはなかなか簡単に拭えるものではありません。
そんな時はアドラー心理学の名著「嫌われる勇気」がおすすめです。
「人から嫌われる勇気を持つこと=幸せへの道」という教えを対話形式で分かりやすく説いているので、頭で納得した上でアクションにつなげることができます。
カウンセリングも有効
自分軸を構築していくには、他人軸になってしまった原因を追及し、「自分の根本の価値観」を変容させていくカウンセリングも有効です。
自己否定が強くなってしまっている理由は、あなたが幼少期に「ありのままの自分」を認めてもらえる経験が少なかったこともに起因しています。
すると、自分はそのままでは認められない存在だ、という価値観が構築され、人に許可や承認をもらいにいきたくなってしまうのです。
「光の心理学」では自分軸構築のオンラインカウンセリングも行っていますので、根本から自分に向き合っていきたい方はぜひご検討ください。

また、自分軸で生きていくための完全ロードマップは「【保存版】自分軸とは?|自分軸で生きていくための完全ロードマップ」でもまとめていますので、合せてご参照ください。

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