タロットの種類

タロットの種類は大きく次の3つに分類されます。
- マルセイユ版
- ウェイト版
- 派生デッキ
マルセイユ版とウェイト版は、ヨーロッパで木版画でタロットが作られるようになってから広く普及したものです。
現在もその頃の様式をそのままに、伝統的なタロットとして世界中で愛されています。
そして、もう一つ。
これらの伝統的なタロットを元に、現代の作家が時代にあった解釈や自らの思いなどを込めて制作した革新的な派生デッキというものが存在します。
この派生デッキの種類は膨大で、毎年世界中で制作されています。
それぞれのタロットの特徴を簡単にあらわすと、
- 元祖タロットが「マルセイユ版」
- マルセイユ版を元に読みやすく改変したのが「ウェイト版」
- マルセイユ版やウェイト版などの伝統的なタロットからインスピレーションを受けて、現代にあった絵柄や解釈に変更したのが「派生デッキ」
となります。
それでは、マルセイユ版、ウェイト版、派生デッキの3つの特徴をさらに掘り下げていってみましょう。
元祖タロットの「マルセイユ版」

世界最古のタロット「ヴィスコンティ版」を元に作られたタロットのデザインです。
16世紀に入り、木版画で一気に作られた時に庶民に広まったのがこのマルセイユ版と言われています。
その時代に作られた同じデザイン・構成のタロットを総称してマルセイユ版と呼ばれており、最古のマルセイユ版「ジーン・ノブレ版」のほか、「ニコラス・コンバー版」、「カモワン版」などがあります。
最大の特徴は、木版画のため、絵の縁取りの線が太く、赤・黄色・青などシンプルな原色が使われているということ。
さらに、大アルカナは人物が描かれていますが、小アルカナのページ、ナイト、クイーン、キング以外はソードやコインなどのシンボルや数字のみになります。

そのため、初心者はリーディングが少し難しく感じるかもしれません。
また、このあと紹介するウェイト版と力と正義のカードナンバーが入れ替わっています。
マルセイユ版は8番が「正義」、11番が「力」になります。
- 木版画で赤・黄色・青などの原色を使ったシンプルな絵柄
- 大アルカナは人物あり、小アルカナは基本ソード・コイン・カップ・ワンドのシンボルのみ
- 8番が「正義」、11番が「力」
- 初心者にはリーディングが難しい
- 日本語解説書は簡素なものが付随しているだけなので、初心者は別途解説書が必要
マルセイユ版を元に読みやすく改変した「ウェイト版」

アーサー・エドワード・ウェイトが考案、1909年にライダー社から出版されたのが、不朽の名作と言われる「ウェイト版」です。
現在、タロットと言えば、ウェイト版をイメージされる方が多いと思います。
出版社の名前を取って「ライダー版」、作者の名前を取って「ウェイト=スミス版」とも呼ばれます。
このタロットは、マルセイユ版を元に読みやすいように大幅な改変が加えられました。
最大の特徴はこれまで、マルセイユ版でシンボルのみだった小アルカナが絵柄に変更されたということ。
そのため、人物のシーンや状況などからリーディングがしやすくなったのです。
また、画家のパメラ・スミスによって描かれた絵は、マルセイユ版よりも細かな表現がされており、これもリーディングのしやすさに繋がっています。
ただ、唯一の懸念点はタロット特有の怖い・暗いと感じる絵柄も複数含まれていること。
ソードの3、8、10はハートに刺さった剣や死体などが描かれ、出てきた時どきっとする印象があります。

また、マルセイユ版は8番が「正義」、11番が「力」だったものが、ウェイト版は8番が「力」、11番が「正義」に変わっています。
- 絵が元になっているため、色が多彩
- 大アルカナ・小アルカナともに人物のシーンが描かれている
- 絵柄が一部、暗い・怖いと感じるものも含まれている
- 8番が「力」、11番が「正義」
- 初心者でもリーディングがしやすい
- 日本語解説書は簡素なものが付随しているだけなので、初心者は別途解説書が必要
伝統的なタロットからインスピレーションを受けた「派生デッキ」
最後に紹介するのが、現代の作家やスピリチュアルリーダーが、これまでの16世紀〜19世紀に作られた伝統的なタロットにインスピレーションを受けて、制作した「派生デッキ」と呼ばれるものです。
歴史としては最も新しく、現在、書店などで見かけることが多いのがこの「派生デッキ」になります。
派生デッキの最大の特徴は、作者の思いや意図が強く反映されており、派生デッキごとに絵柄から受ける印象が異なるということ。
カードを使うときは、これまでの伝統的なタロットの解釈に加え、アート作品を眺めるように絵を見て感じることなどをリーディングをしていきます。
また派生デッキは、これまでのタロットで描かれていた恐ろしい印象を受ける絵柄が、やさしい絵柄に変更されているのが多いことも特徴です。
例えば、ウェイト版ではソードの10が死体に剣が10本突き刺さっている絵柄で描かれていました。

このようなカードが出てきたときは、「もう立ち直れないということか」と思ってしまうものですが、派生デッキではこのような絵柄に変更されています。
フェアリータロットカードでは、妖精が峠を越え、新しい景色を見た絵柄に変更。

グッドタロットでは、天使が天を見上げ、軽やかに新しい始まりを迎えることを表す絵柄に変更されています。

昔ながらの絵柄をより受け取りやすく・ポジティブに、そして思考が好転しやすいようにとそれぞれの作者が工夫を凝らしたものがこの派生デッキならではのポイントです。
また、デッキごとにオリジナルのカードが存在するものもあります。
- 伝統的なタロットを元に作者ごとのオリジナルな絵柄
- カードの絵柄がやさしく改変されているものが多い
- ポジティブなメッセージが多く、受け取りやすい
- 初心者でもリーディングがしやすい
- 日本語版の解説書も付随。解説本なしでもリーディングをはじめられる
- 派生デッキオリジナルのカードもある
タロットの基本構成
タロットは、22枚の大アルカナと小アルカナ56枚で基本的に構成されています。
(ただし、派生デッキでは56枚ではないことやそのほかにオリジナルカードが用意されていることもあります)
大アルカナ

人生の主要な出来事や転機を意味し、0から21番の番号が割り当てられています。
0番の愚者からはじまり、その愚者があらゆる人物に出会い、自分を見つめ直し、古い価値観を壊しながら、やがて21番の世界(理想郷)に辿り着く物語が描かれています。
1枚1枚に強いメッセージが込められていることが特徴です。
小アルカナ

日常の小さな出来事を表すのが小アルカナです。
ワンド、カップ、ソード、コインの4つのスートがあり、それぞれにエース〜10番、ページ、ナイト、クイーン、キングが用意されています。
それぞれのスートの意味は次の通り。
ワンド…「火」の性質。情熱・行動を意味します。
カップ…「水」の性質。感情・気持ちを意味します。
ソード…「風」の性質。思考・情報を意味します。
コイン…「土」の性質。堅実さ・物質を意味します。
それでは、いよいよ本当に初心者におすすめできるタロットカードをランキング形式で5つ紹介していきます。
冒頭で紹介したお伝えした4つのポイントを押さえたものです。
ぜひ、ご参考ください。
- 日本語解説書がついている(簡易的な解説書の場合は別途、解説本を用意)
- カードの絵柄がやさしいデッキを選ぶ
- インスピレーションを刺激する絵柄
- 大アルカナ・小アルカナがセットのものを選ぶ
第5位 ライダー ウェイト タロット スタンダード

マルセイユ版を元に読みやすく改変した「ウェイト版(ライダー版)」のカードです。
このカードの特徴は、全てのカードで絵柄が採用されているため、読み解きやすく、状況や人物などからインスピレーションを得やすいこと。
また、派生デッキの大元になっていることが多く、まずきちんとタロットカードの意味を知りたいという方には特におすすめ。
ただし、ソードの3、4、8、9、10は死体や棺・嘆く人など一部怖い・暗い絵柄も含まれています。
また、日本語解説書が単語だけの簡素なもので、はじめてのカードに選ぶ場合は別途日本語のしっかりとした解説本が必要です。
私が読んできた中で特にやさしい解説がされている書籍も紹介しますので、こちらとセットで揃えることをおすすめします。
日本語解説書 | △ あるが簡素なもの(別途、解説本が必要) |
カードの解釈がやさしい | ◯ 別途解説本で解釈がやさしいも のを選べば問題なし |
インスプレーションを刺激する絵柄 | ◎ 状況が詳細に描かれている |
大アルカナ・小アルカナがセット | ◎ フルデッキ78枚 |
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