大人の発達障害ADHDの特性と才能とは?~ADHDを才能と認める時代の到来~

発達障害として知られるADHD(注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害)。

不注意・多動性・衝動性の特徴を持ち、発達障害の研究が進んできた現在、「もしかしたら、自分も該当するのでは……?」と大人になってからその存在を知る機会も増えてきています。

現在、ADHDの治療には薬物投与とカウンセリングが用いられていますが、いずれも症状を“抑える”、“改善させる”という目的のものです。

けれど、ADHDの特質はそうまでして“治さなきゃいけない”ものなのでしょうか。
特質そのものを認め、活かす道が主流になってもいいのではないでしょうか。

自身も心理カウンセラーとして活動をしている私は、ADHDの現在の治療の在り方を疑問に思ってきました。

ところが、アメリカNY在住の心理学者デイル・アーチャー氏が著書「The ADHD Advantage: What You Thought Was a Diagnosis May Be Your Greatest Strength」のなかでADHDは障害や病気ではなく、「天賦の才」だいう見解を示し、そのことが話題になっています。

まだ、日本語訳がされていないこの書籍ですが、書籍を要約した記事も日本で公開され、こちらも大きな話題を集めています。

ADHDを障害や病気と診断せず、才能へと導く方法を米の心理学者が発表

ADHDの見方が変わる時代がすぐそばまでやってきています。

これからの書かれる記事は現在の日本のADHDの見解と少し、異なるかもしれません。

けれど、ADHDに悩んできた方、ADHDであるかもしれないと思っている方、またはADHDの方を支える家族やパートナーや友人にも、心の支えになれるものであることを約束します。

‟こういう見方もあっていい”

そう思っていただけると、少しだけ世界が優しく見えてくるかもしれません。
この記事では、ADHDを詳しく知らない方も読めるよう現在の一般的なADHDの概念、タイプ、特性、治療法も紹介。

そして、今後ADHDを取り巻く社会の在り方がどのように変化をしていくのかの見解を踏まえ、ADHD本人が自身の特性とどう向き合っていけばよいかをお伝えしていきます。

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ADHDのとは

ADHDとは、Attention-deficit hyperactivity disorderの略。

日本語で「注意欠如・多動症」または「注意欠如・多動性障害」を意味する発達障害のひとつとして、現在の日本では定義されています。

脳の機能障害によって生じるとされ、大人になってから、会社で同じミスを繰り返したり、失くしものが多いことに悩んで、「ADHDかもしれない」と医療機関を受診するケースも増えています。

最近では、Youtuberの「ナカモトフウフ」のダイスケさんがADHDであることを公表。その私生活を公開した動画も大きな反響を呼びました。

ADHDのタイプと特性

不注意・多動性・衝動性の特徴があり、子供では20人に1人、成人では40人に1人の割合でいると言われています。

突発的に発生するものではなく、大人のADHDは4歳頃でまでにはその特性を現れていたとされています。

そのタイプによって以下3つに分けることができます。

不注意優勢型

  • ひとつの物事に長く集中することが難しく、すぐ気が散りやすい。
  • 忘れものや失くしものが多い、整理整頓が苦手。
  • ぼーっとしてしまい、話しかけられても聞いていないことが多い。

多動・衝動性優勢型

  • じっとしていることが苦手で思いつきで行動をする。
  • 思いついたまま発言をする傾向があり、失言ととらえられることも多い。
  • しゃべりすぎてしまう傾向、人の話を遮ることもある。

混合型

  • 不注意・多動性・衝動性が同じ程度に目立つタイプ。

また、子供の頃は衝動性が強くとも、大人のADHDでは不注意優勢型が多くなるようです。

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現在のADHDの治療とその弊害

現在、大人のADHD治療には薬物治療とカウンセリングが一般的。

薬物投薬では「ストラテラ」や「コンサータ錠」が用いられることが多いようですが、「コンサータ錠」については、突然死を誘発する危険性があることも指摘されています。

冒頭、紹介した『ADHDを障害や病気と診断せず、才能へと導く方法を米の心理学者が発表』の記事のなかでは、このような記述があります。

米国の医療データベースサイト「eHealthMe」によれば、コンサータを投与されている米国の児童において、2016年2月22日現在、副作用が出た8,777人の子供の内、57人が死亡したとある。

コンサータを服用して死亡する確率は0.65%。

つまり、ざっくり考えても、およそ200人に1人が死亡しているという恐ろしいデータが公表されている。

ちなみに、この統計ではコンサータを服用して死亡した年齢層は、2歳~19歳までが72.2%となっている(成人してから処方されるケースが少ないという面もある)。

【引用】ADHDを障害や病気と診断せず、才能へと導く方法を米の心理学者が発表

ADHDを取り巻く課題と今後の展開予想

薬物治療は出ている症状を“抑える”もの。そして、副作用の危険性もあります。

また、日本で行われているカウンセリングも一般的には、ADHDの特質を認めるというものではなく、ソーシャルスキル・トレーニング(SST)などによって、行動を“改善”させていくという目的のもと行われます。

ADHDの特質を“抑える”。そして、“改善”させていくと根本にある思想。

それは、ADHDの特質がまるでいけないものだと言っているかのようです。

  • 「ひとつの物事に長く集中することが難しく、すぐ気が散りやすい」ことはいけないことでしょうか?
  • 「じっとしていることが苦手で思いつきで行動をする」ことはいけないことでしょうか。
  • 「思いついたまま発言をする傾向がある」ことはいけないことでしょうか。

社会は集団行動を好み、そこから外れることを嫌います。こと日本は特にそういった性質が強い傾向があります。

ADHDを社会のなかで生きづらく、その特質を「障害である」と定義しているのは、社会のなかでは「これよかれ」とするルール・価値観・概念そのもののではないでしょうか。

今、心理学者デイル・アーチャー氏は「ADHDの子供は本当はとっても良い子である」と伝えています。

かつて、とっても良い子だったADHDの子供が、とっても素晴らしい大人にならないはずがないのです。

また、ADHDは数々の素晴らしい才能を持っていることでも知られています。

その特質を障害か才能か、ジャッジをするのは社会やそこで生きる私たち一人ひとりの考え方にほかなりません。

けれどくしくも現在、コロナによる影響下の元、リモートワークなど次世代の働き方が日本で急速に整ってきています。
より自由度の高い職場環境で、縛り付けられることを嫌うADHDの人々がのびのびと働いていくことができる未来が、もうすぐそこまでやってきていることも事実です。

私は今後、社会がADHDの特質を才能と認め、活かす時代に突入していくと感じています。

ADHDは才能

ADHDが才能である……。

デイル・アーチャー氏が著書のなかで「ADHDはギフト(天賦の才)」であると言います。
アーチャー氏はこの言葉をADHDの子供に向けて言っていますが、大人のADHDも十分にこの能力を発揮できるものと思います。

ADHDの才能その1:非線形思考

ひらめきのイメージ画像

ADHDの人はアイディアが拡散的で、連続しています。

これは「非線形思考」と呼ばれ、理論的に繋がった思考ではなく、考えるよりも直観的に感じ取るといった方が近いかもしれません。

ひらめきを得る力が高く、モーツアルト、アインシュタイン、エジソンなどもADHDだったのではないかと言われているのです。

また、この思考は複数のタスクをこなすのにも適しており、堀江貴文氏が自身の著書「多動力」のなかで、このマルチタスク能力こそがIT新時代を生き抜く力を大きな役割をなしていく力だと語っています。

ADHDの才能その2:エネルギーが高い

走る人の画像

ADHDは落ち着きがないと言われていますが、じっとしていることが苦手なのは高いエネルギーを持っているので、動いて、それを発散させたがる傾向があるためです。

同時に体力の回復力も高く、いつまでも走っていられるなどのスポーツでも優れた能力を発揮することができます。

また、人の集中力は通常年齢プラス1歳と言われています。
つまり、ひとつのことに集中できるのは、本来そこまで長時間ではないのです。

これは私の見解ですが、ADHDの人が動き回りたくなるのは、高いエネルギーで物事に集中しているため、ひとつの集中が終わったら次に集中できるものを探しに歩きたくなるのではないでしょうか。

本質的に集中をし続けているため、物事への興味関心が次々と移り変わっていくのです。

堀江氏は、著書「多動力」のなかで物事を多動的にこなしていくコツを「猿のようにハマり、鳩のように飽きることだ」と伝えています。

未来を生き抜くマルチタスク能力の開花には、この「飽きる」という能力が欠かせません。

ADHDの才能その3:困難に挑む能力

壁にのぼる人の画像

AHDHの人は、困難に挑む力が優れています。突き当たる壁が高いほど、脳がよく回転をしていくのです。

ADHDだったといわれるエジソンは、電球を発明するまでに1万回の失敗作をつくったと言われています。

まず普通に考えて、1回の成功を信じて1万回の失敗をこなすことなどできるでしょうか。
多くの人が諦めてしまうところ、エジソンは「失敗じゃない。うまくいかない方法がひとつ分かった“成功”なんだ」という言葉を残しています。

いかなる困難にも立ち向かう諦めない力があるからこそ、成功を引き寄せる力も強いといえるかもしれません。

ADHDの著名人紹介

世界にはADHDを公表している著名人も多くいます。いずれも素晴らしい才能を持った人たちばかりです。

トム・クルーズ

『ミッション:インポッシブル』シリーズなどでも知られるアメリカの俳優です。

トム・クルーズ氏は文字を読むことが苦手です。
そんな彼がどのようにして台本を覚えているのかというと、スタッフや家族が台本を読んだ音声を何度も聞き込み、暗記しているのだそうです。

苦手に立ち向かい、今なお映画界の第一線で活躍する彼からは、ADHDの才能「困難に挑む能力」を感じます。

スティーブ・ジョブズ

Apple社の共同設立者の一人、スティーブ・ジョブズ氏もADHDのひとり。

2011年に惜しくもガンで亡くなっていますが、彼が手掛けたApple製品は、極限まで余分な要素が削ぎ落とされたデザインでも世界を魅了しました。
そこにはジョブズ氏の並々ならぬこだわりがあったそうです。好きなことに没頭する様はまさにADHDの特筆すべき点と言えるでしょう。

また、幼いころから、興味が赴くととにかくやってみたい衝動を抑えきれなかった傾向がありました。例えば、殺虫剤の「味見」をしたり、コンセントにヘアピンを差し込んだり……。そうして、何度も病院に担ぎ込まれた経験をしています。

黒柳徹子

日本のテレビ誕生と同時に生まれたテレビタレントとして、現在なお第一線で活躍しています。
タレントのほか女優、声優、司会者、エッセイスト、ユニセフ親善大使、平和運動家などさまざまな肩書も持っています。

自伝「窓際のトットちゃん」では、多動・識字障害・計算障害などで、小学校を退学になったエピソードが綴られています。

また、トーク番組「徹子の部屋」では、独特のマシンガントークでゲストにずばずば切り込んでいく様が印象的。

彼女は一般的な見方では欠点と捉えられてしまっているADHDの特異な点を見事個性として活かしながら、80歳を超えた今なお、元気な活躍を見せています。

そのほか、海外ではビル・ゲイツ氏、ウィル・スミス氏、日本では栗原類さん、勝間和代さん、ミッツマングローブさんなどがADHDであることを公表しています。
みなさん、自分の個性を武器にそれぞれのステージで輝いている方ばかりです。

大人のADHDを待つ未来

ADHDの著名人を紹介してきましたが、彼らは元々特別だから、花開いたわけではありません。
彼らは社会の風潮をバネにし、また逆の発想で自らの活かし方を体得してきました。

人はみな等しく特別であり、要は自分がいかに特別かを信じるかどうかで本来持っている能力の活かされ方が変わってくるということです。

多動的であることを落ち着きがないという人もいれば、エネルギーが高く発散をしているためだという人もいます。
多動力こそ、未来を生き抜く力だ、という人もいます。

物事は多面的であり、真実はひとつではありません。

それは障害という言葉ひとつ取っても同じです。

長年、自分が社会に馴染めずいたある時、ADHDや発達障害という言葉を知った方には、「腑に落ちた」と同時に「自分と同じ思いをしている方がいるんだ!」と救いになったかもしれません。
また、幼いころから障害をいう枷を負っていた方は、障害と言われることが嫌でたまらないかもしれません。

障害という言葉自体もそういう点では、いいものでも悪いものでもないのです。

ただ、それを踏まえうえで、ADHDを自分のアイデンティティと認められず、マジョリティのなかで苦しんできた人に私が伝えたいこと。

「もうすぐ、あなたがADHDの在り方を選んでいける時代になります。だから、あなたが幸せになる道を選んで」

それだけなのだと思います。

あなたは生まれた時から特別で完璧です。
その価値を他人や社会に預ける必要はありません。
誰が揶揄しようがあなたのその個性が魅力であり、強みなのです。

まとめ

いかがだったでしょうか。

現在、日本に出回っているADHDの見解とは大きく異なっている部分もあるかもしれませんが、心理カウンセラーとしての私の考えも踏まえた記事にさせていただきました。

ADHDで悩む方、ADHDの家族や友人を持っている方などの少しでも支えになれるものであれば幸いです。

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