【中田敦彦の自伝小説】“混沌を泳ぐ”を心理学ブロガーが読んでみた感想

「混沌を泳ぐ」の解説

2021年8月時点、YouTubeのチャンネル登録者が400万人を超えた中田敦彦さん。


この数字は芸能人チャンネルだけでなく、日本のYoutuberの中でもトップクラスに位置しています。


さらに中田さんが運営するオンラインサロン「PROGRESS」は現在、会員数5500人を越え、この数字は日本2位です。


名実共に成功者であり、また時代の先を行く人でもある中田さんですが、どのようにして現在のポジションを手に入れたのでしょうか。


その経緯が赤裸々に綴られたのが、今回紹介する中田敦彦さんの自伝小説「混沌を泳ぐ」です。


正しくは「混沌を泳ぐ -PROGRESS STORY-(1)」。


彼は…
ーなぜ、テレビから姿を消したのか。

ーなぜ、Youtuberになったのか。

ーなぜ、オンラインサロンを始めたのか。


そんな中田さんの人生の軌跡が詰まっています。


最後は涙もこぼれてしまう一冊。


文句なしでおすすめできるので、今回、ブログで取り上げさせていただきます。

ゆめ

時代の先を行く先駆者の姿勢が学べるよ!

それでは、早速行ってみよう!

この記事の内容
  • 【中田敦彦の自伝小説】“混沌を泳ぐ”の内容(ネタバレあり)
  • 心理学ブロガーが読んで見た率直な感想
この記事の筆者
ゆめプロフィール
Twitter:@hikarinoshinri

自分の得意とする分野を槍の先のように尖らせ、時代の先を進んでいく中田敦彦さんをリスペクトしています。


私自身も「心理学×未来予測」の分野で時代の先に進みたいと日々奮闘中。


やりたいことで独立し、世界を飛び回り、自由に生きた上で社会貢献がしたい!


そんな夢を持っています。

目次

「混沌を泳ぐ」の構成

「混沌を泳ぐ」は次のような構成になっています。

もくじ

第一章 焦燥〜見えぬ景色を求めて〜

第二章 出発〜熱狂〜

第三章 発展〜孤独の夜明け〜

第四章 変容〜翼と天秤〜

第五章 対話〜風の音〜

第六章 前進〜変化する教典〜

それぞれの章の流れをかいつまんで解説していきます。

第一章 焦燥〜見えぬ景色を求めて〜

海に出た小さな船のイメージ

はじまりは中田氏の猛烈な焦りで幕を開けます。

中田は、強い危機感に駆られていた。

かつてない規模の嵐が迫っているかのような、得体の知れない不安と焦燥感があった。

引用:「混沌を泳ぐ」より

中田氏が焦りを感じていたのは2016年のこと。


RADIO FISHの「PERFECT HUMAN」というヒット曲にも恵まれて、世間では順風満帆に見られている時です。


ただ中田氏はヒットの規模に対して、与えられた報酬があまりにも少ないことに危機感を覚えていました。

これからは仕事をもらう立場ではなく、自ら生み出さなくては…

そんなことを思う中田氏の前を進んでいたのが、キングコングの西野亮廣氏でした。


西野氏は中田氏より早くテレビ業界の低迷をキャッチし、ネットでの物販や、ライブチケットの手売り、オンラインサロンの経営をやっていました。


そして、中田氏も西野氏の後を追い始めます。


2018年5月、中田氏35歳の時、インターネットの片隅で「NKTオンラインサロン 」を開設。


まだ少ない会員と共に、チケットの手売り販売や物販など、西野氏が手掛けたことを見様見真似で取り組みはじます。


このように第一章では中田氏の危機感とオンラインサロン開設の経緯が語られています。


ここで着目したいのは、中田氏の先人を真似ぶという素直な姿勢と行動力。


西野氏の背中を追いかけ、彼のやってきたことを自ら経験として学んでいく姿です。


知名度のある芸能人があえて、ライブチケットを手売りする。


このような地味でかつ裏方の作業を、経験を得るために、果敢に取り組んでいきます。


こうした本物の経験が、この後も中田氏の血肉となって活きていくのです。

第二章 出発〜熱狂〜

2018年11月30日、現在の中田氏のオンラインサロン「PROGRESS」が誕生します。


「PROGRESS」は、「NKTオンラインサロン (後のUNITED)」とは違う位置付けのサロンでした。


「UNITED」はファンクラブのようなサロンでしたが、「PROGRESS」には「進歩・進化・前進・発展」などの意味を込めて、中田氏と共に時代の先を行く人を求めたのです。


けれど、300人いた「UNITED」から「PROGRESS」についてきたのは当初たったの30人。


それでも、小さな船は荒れ狂う海を進んでいきます。


そんな中、追い討ちをかけるように中田氏のレギュラーだったラジオANNPが終了。


自ら発信する場所を失ったことをきっかけに、立ち上げたアパレルブランドの売り上げが低迷しはじめました。

ー自分で発信できる場所さえあれば…。

そんな思いを連れて、訪れた書店でメンタリストDaiGo氏の書籍に出会います。


そして、彼を調べるとYouTubeに行き着いたのです。

まだ、やれることはある。

中田氏のYouTuberとしてのスタートは、この時に始まっていきました。

第三章 発展〜孤独の夜明け〜

中田氏のYouTubeチャンネルは言わずと知れた「YouTube大学」。


コンセプトは「学ぶって楽しい」。


文献の正しさよりも、書籍の面白さを切り口に、知識や学びのきっかけを提供しています。


そこで、「PROGRESS」のテーマもYouTubeとカラーを合わせた形の「終わらない学園」に変更されていきます。


これまで、「PROGRESS」は中田氏のアパレルブランドの「幸福洗脳」の世界観を踏襲してきました。


けれど、そのことが「オンラインサロン=怪しい・宗教的」という世間のイメージと最悪な化学反応を起こしていたのです。


「PROGRESS」が学園へとテーマ変更したことにより、徐々にイメージの統一が図られ、オンラインサロンも軌道に乗ってきたかに思われました。


サロンメンバーとの距離感も大切に、多くのオフラインイベントも行われます。


けれど、そのオフラインイベントは全て中止せざるを得なくなっていきます。


人との繋がりを奪ってしまった闇の名はCOVID-19。


波に乗り始めたと思われた船はまた暗礁に乗り上げてしまいます。

第四章 変容〜翼と天秤〜

COVID-19のイメージ

コロナで仕事や生活に影響があっても、「PROGRESSにいたい」と思わせる場所にしたいという理由から中田氏は月額会費を5980円から980円に値下げしました。


さらにYouTubeのエンディングで使われるオンラインサロン紹介の動画も一新。


最後のセリフは「人は何者にでもなれる。いつからでも」。


これまで「過剰な人」を求めていましたが、その敷居をぐっと下げたのです。


さらにコロナによりオフラインの交流も減ったことも後押しして、オンラインサロンメンバーは一気に増加していきます。


その頃、中田氏はサロンメンバーの性質にも着目しはじめます。


オンラインサロンでは活動的なタイプだけでなく、ROM専のようなタイプもいます。


中田氏はこれまで、積極的なタイプを求めてきましたが、そういったタイプは短期間で成果を求める側面もあり、早期退会に繋がっていきます。


“誰かに認めて欲しい人”が多い中、じっくり腰を据えて“他者を応援することができる人”はコミュニティでも大切な存在であることに中田氏は気づいたのです。


そこでサロンにクラス制を取り入れ、どのタイプも楽しめるよう改善。


中田氏は座右の銘を「前言撤回」としていますが、それはアップデートの意味に思えます。


このように時代に合わせて、柔軟にあり方を変えていくことで「PROGRESS」も次第に大きな船へと変わっていきました。

第五章 対話〜風の音〜

けれど、中田氏の度重なるアップデートに、「今のままが好きだから変わらないで欲しい」「中田さんはこうであって欲しい」という意見がサロンの中で上がります。


また、中田氏が特定のメンバーに光を当てて応援すると、「自分だって頑張ったのに」「あの人のことも褒めて」という声も…。


楽しんでもらいたいという気持ちで行うことも、ある人に取っては都合が悪く、中田氏はメンバーとの距離感に葛藤を抱えていきました。


その時の心境をこう語っています。

ー期待されることは光栄で、窮屈で、ストレスで、遣り甲斐だ。

でも孤独よりも全然いい。

虚無より煩雑の方がいい…。

引用:「混沌を泳ぐ」より

そして、違っていても歩み寄ることはできるはずだと信じます。


それがコミュニティの醍醐味である、と。


そんな中、宮迫博之氏とYouTube番組「Win Win Wiiin」の誕生、オリエンタルラジオの吉本興業退所、YouTubeでの顔出し引退とその撤回など、中田氏は常にトライを繰り返してきました。


エラーが出れば即時撤回。


その度に批判的な意見もありますが、中田氏は切実に願います。

変わらせてくれ

そのための「進歩・進化・前進・発展」の「PROGRESS」なのだから、と。

第六章 前進〜変化する教典〜

サロンメンバーとの距離感に悩む中、中田氏自身がメンタルが不安定な時にはメンバーに厳しく接したこともありました。


そんな経験を踏まえ、中田氏は一つ一つの問題に向き合っていきます。


ある時は許容し、ある時は改善し…。


その過程に抜け道などありません。


小説の中でも、問題と向き合う様子を次のように話しています。

抜け道より正攻法を
批判より提案を
心配より応援を

そしていつでも強さと優しさを

強くて優しいコミュニティを目指す中、中田氏自身も「強さと優しさ」とは何か、に向き合い続けているのです。


そして、「周りの気持ちを考えて自分なりに前進すること」ではないか、という一つの結論を出します。


ーテレビや事務所に頼らず自分の力で稼げるようにならなければ。

ーファンクラブではないコミュニティを作らなければ。

ー独自のコンテンツを作らなければ。


中田氏はこれまで、数々の焦燥に背中を押されて、進んできました。


そして、現在は1万人規模のオンラインサロン、武道館のステージに立つという新大陸を目指しています。


自伝小説「混沌を泳ぐ」の完成が近づいてきた時、中田氏はサロンメンバーにこう語りかけました。

この本は1巻で終わりではなく、これからも続いていきます

だから、「混沌を泳ぐ -PROGRESS STORY-(1)」なのです。


中田氏は本を作るに当たって、これまでを振り返りました。


そこで、人生を輝かせるのは成功や栄光の瞬間ではなく、そこに至るまでの失敗や挫折の経験だということを知ります。


中田氏はずっと成功者ではありません。


ずっと超人ではありません。


そして、またサロンメンバーに語りかけます。

中田はずっと汗だくで血だらけの、挑戦者でした。
そしてずっと…これからもずっと、ただの芸人です。

心理学ブロガーによる“混沌を泳ぐの感想

「混沌を泳ぐ」のイメージ画像
ゆめ

ここからは心理学ブロガーであるゆめが「混沌を泳ぐ」を読んでみた感想をお伝えしていきます。

読了後の率直な感想は「なんて泥臭いんだろう」でした。


今やトップYouTuberの中田敦彦さん。


オンラインサロンの会員数も日本2位です。


家族がいて、ビジネスもうまく行って、海外に移住して、賢くスマートで、人望もあって…。


そんなまさにパーフェクトヒューマンの進んできた道はトライアンドエラーの連続でした。


「混沌を泳ぐ」のタイトルのそのまま。


混沌に揉まれながら、自由であったり、「自ら仕事を生み出せる人にならなくては」という強烈な焦燥感に背中を押されて無我夢中で進んでいったのです。


サクセスストーリーとは、連綿と続く「挑戦と失敗と調整」の物語なんだと感じられる一冊でした。


同時に、あの中田敦彦さんもこんなに苦悩してきたんだ、という勇気をもらいました。


私自身も、コロナショックの最中、世界の仕組みが大きく変わることを実感した時、中田さんがビジネスの先生と仰いだ西野亮廣さんの著作を読みあさっていました。

未来、変わるぞ。私も生き方を変えなくては

そんな焦燥感と共に、転職を決意。


自分で仕事を生み出していけるように、インターネットの片隅でこの「光の心理学LABO」の運営をはじめました。


ブログとカウンセリングでようやく5桁の収入が入るようになったこの頃です。


来年には田舎に移住し、もっと自分の時間を作って会社に依存せず身を立てていけるよう、計画もしています。

まだやれることはある。むしろこれからだ

私もまた、名もなき挑戦者の一人です。


だからこそ、この「混沌を泳ぐ」の圧倒的な熱量とまだ中田さんも挑戦者であるという姿勢に涙しました。


人を勇気づけるとは、相手に立派な言葉をかけることではないのかもしれません。


先を行く者として失敗も挫折も晒して、挑戦している背中を見せることなのかもしれません。


私のように未来に進みたい人、今まさに挑戦している人、まだ名もなきあなたへ贈りたい一冊です。

中田氏は今も混沌を泳いでいる

最後に、ここまで読んで下さったみなさんに現在の中田敦彦さんの活動をお伝えしたいと思います。


2021年8月8日にYouTube大学で「【中田敦彦新プロジェクト】世界を救うサステナブルブランド始めます!」というタイトルの動画をアップされました。

その内容は、中田さんがサステナブルのアパレルブランドを作るというもの。


このプロジェクト、単に「インフルエンサー×アパレルブランド」という体裁のものではありません。


大手アパレル企業が行っている大量生産大量廃棄の闇に切り込み、大量生産の裏側にあるベトナムや中国、バングラディッシュの劣悪な労働環境の改善と、海外生産によって潰れている日本の町工場を救うというプロジェクトなのです。


ブランド名は「CARL VON LINNÉ(カール・フォン・リンネ)」。


コンセプトは「知性の上に着る」。


服の買い方を変えるだけで、服の選び方を変えるだけで、悲しむ誰かを救うことができる。


そんなプロジェクトなのです。


中田さんはこの動画の中でこう語っています。

何億円売れたとか何枚売れたとかそういうパーティーを行うつもりはさらさらないし、
この計画でバカみたいに得する人間はいない。

だけど、泣く人を一人でも二人でも減らすことができる。

ただおもしろいことがやりたいと芸人の道に進み、自分で仕事を作りたいとYouTuberになり、オンラインサロンで期待されることの喜びと重圧を感じ、混沌を泳ぎ続けた先にあったのが、世界を救うという新しい夢です。


中田さんは今もなお、混沌を泳ぎ続けています。


強く、優しいリーダーの背中を見守り、応援することは素晴らしいことです。


ただ彼の生き様を見て、今ここから自らの生き方も考えていくこともまた、私たち一人一人にできることなのかもしれません。


私たちも一人一人もまた、混沌を泳ぐ船なのですから。

私たち一人一人の船のイメージ
「混沌を泳ぐ」の解説

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