【全力書評】“GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代”を心理学ブロガー読んでみた

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ゆめ

アダム・グラントの著書“GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代”を心理学×未来予測ブロガーのゆめが全力で書評していきます。

この記事の内容
  • GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代ってどんな本?
  • 心理学ブロガーによるGIVE&TAKEの全力書評
  • 心理学ブロガーによるGIVE&TAKEの評価
この記事を書いた人
ゆめプロフィール
Twitter:@hikarinoshinri

「GIVE&TAKE」は信用時代の現在に欠かせない一冊と思い、購入しました。


今後を豊かに生きるのに欠かせない考え方が詰まった素晴らしい内容だったので、全力で書評していきます。

目次

GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代ってどんな本?

GIVE&TAKEを持つ筆者の画像

“GIVE&TAKE「与える人」こそ成功する時代”とは、組織心理学者であり、ペンシルベニア大学ウォートン校教授のアダム・グラントの著書です。

GIVE&TAKEとは「何かを与えたら何かをもらう」という私たちが普段から行っている等価交換の考えを組織心理学の視点から、紐解いた一冊になります。


アダム・グラントはこの等価交換システムにおける人間のタイプを3つに分類しています。

  • ギバー … 人に惜しみなく与える人
  • テイカー … 与えるより多くを受け取ろうとする人
  • マッチャー … 損得のバランスを考えて行動する人

ギバー、テイカー、マッチャーについての詳しい解説は「【ギバー、テイカー、マッチャー】3タイプを徹底解説|成功者になるのは誰?」もご覧ください。

さて、等価交換システムにおいて、一体この3タイプの内、誰が成功していくのか。


それは、人に惜しみなく与えるギバーです。


「GIVE&TAKE」では、

なぜ与えるギバーが成功者になるのか?

なぜ、与えるより多くを受け取ろうとするテイカーは発展していかないのか?

を実例とデータを元に証明しているアダム・グラントの研究の結晶でもあります。


成功者ギバーのなり方への完全ロードマップは「【図解】ギバー&テイカー|成功者ギバーとして生きるための完全ロードマップ」でも書いていますので、合わせてご参照ください。

心理学ブロガーによるGIVE&TAKEの全力書評

GIVE&TAKEのページを開いた画像

私がこの本を手に取ったきっかけは、絵本作家の西野亮廣さん、YouTuberの中田敦彦さんら新時代の新しい生き方をしている方達がこぞって「ギバー、テイカー、マッチャー」のことを語っていたため。


この「GIVE&TAKE」の知識こそ、これからの時代を豊かに生きていくためには欠かせないものであるということを確信し、購入しました。


ボリュームのある書籍でしたが、チャレンジして本当によかったと思います。


監訳者の楠木健さんが帯で

世の“凡百のビジネス書”とは一線を画す一冊!

「GIVE&TAKE」監訳者:楠木健

と語っていますが、その言葉は大袈裟なものではないと思っています。


「GIVE&TAKE」の中で語られているのは、一般的なビジネスのハウツーではなく、これからの時代を豊かに生きていくための根幹となる考え方です。


その考え方とは、「与える人であるギバーこそが成功していく」ということ。


私たちはこれまでTV・ラジオなどの一部の発信者から、情報を受信し、物を買い、行動を起こしていました。


けれど現在は、SNSやYouTubeなどあらゆるメディアで情報が溢れるようになり、私たちは「情報を選ぶ」ことができるようになりました。


そこで一つの基準になってくるのが「誰から物を買うのか、誰の情報を選ぶのか」という相手への信用度です。


これからの時代は「信用時代」とも言うことができるのです。


この信用時代にこそ、先んじて人に与えることができるギバーが活躍していきます。


SNSなどで人の言動・思考が透けて見えやすい現代だからこそ、このギバーの誠意ある行動が加速度的に彼らを豊かさへと導いてくれるのです。

正直者がバカを見る時代は終わった。

そんな勇気を与えてくれる一冊になっています。


ただ、「情けは人のためならず」と語った書籍なのか?


そう問われれば、その通りではあります。


けれど、本書の優れた点は「情けは人のためならず」を、実に様々な実例とデータを元に証明してくれている点です。


本書には、実在したギバーやテイカーが登場しますが、そのキャラクターが実におもしろい。


一度にたくさんの人間の思考と行動とその結果が観察できるため、「人間通」になれるのです。


ふと、TVを見ていて、赤字を抱えた事業を情で切れない社長を見ると「優しいが、自己犠牲型ギバーのため与えて損をしてしまうタイプだなぁ」と考える自分がいます。


逆にテイカーへの嗅覚も鋭くなりました。


成功者のギバーになっていくには、このテイカーを避けることが重要だと本書でも強く語られていますが、本書を読んだことでその嗅覚が自然と鋭くなれるのです。


成功者ギバーだと思う人の行動もチェックするようになります。


「彼らがなぜその行動をするのか」にアンテナを張ることができれば、ただ、上部を真似るだけでなく、マインドから自己を見つめ直すことができます。


このように本書を通し、人間通になれることで、今後の自分の思考・行動に還元できる。


私はこの点が「GIVE&TAKE」を読む一番の醍醐味であるように思っています。

GIVE&TAKEの中に出てきたギバーとテイカー紹介

ギバーとマッチャーのイメージ画像

ここで、「GIVE&TAKE」の見所である、様々なギバーとテイカーたちを少し紹介したいと思います。

【テイカー】ケネス・レイ(企業家)

貧しい家の生まれだったケネス・レイは会社の評価額が1兆1000億円を超えるエネルギー企業エイロン社を築きました。


慈善活動にも熱心で、250億円以上の寄付を行い、アメリカのブッシュ元大統領にも「善良で気前のよい人物」と絶賛されています。


ところが彼は、後にとんでもないテイカーとして起訴されることになります。


2001年にエイロン社は経営破綻。


その際、1200億円以上の収益修正額が発覚します。


これはアメリカ史上最大の修正額で、エイロン・スキャンダルと呼ばれることになりました。


さらに、外国政府に違法なワイロを贈って契約を勝ち取っていたことも明らかになります。


善良な仮面の奥で、巧妙に投資家をだましていたのです。

【テイカー】ジョナス・ソーク (医療研究者)

ジョナス・ソークは「ポリオワクチン」を開発した医療研究者です。


1952年、アメリカでかつてないほどポリオが流行した際、ソークの手掛けたワクチンによって、見事パンデミックを抑えることができました。


彼は一躍、英雄となりましたが、記者会見でとんでもないスピーチをしたことにより、テイカーであることが露呈。


優秀な研究者が、彼の研究所を去っていったのです。


彼は記者会見の中で、ワクチン開発に貢献した6人の研究者の功績を一切認めませんでした。


研究者は涙し、会場を後にしました。


ソークは後にこんな言葉を残しています。

誰かが何かを達成して、その功績を認められると、嫉妬され、うとんじられるようになる

ジョナス・ソーク

功績は自分のものだけにしようとしたのはソークなのに、同僚たちがそれをうとんじだのだと語ったのです。


けれど、功績を独り占めしようとした瞬間が彼のキャリアの頂点になってしまいました。

【ギバー】ジョージ・マイヤー(ザ・シンプソンズの仕掛け人)

アメリカ史上最長寿のアニメ番組「ザ・シンプソンズ」の仕掛け人、ジョージ・マイヤーは善良なギバーとして働く仲間からの信頼を勝ち得た人です。


あのブラックなアニメの仕掛け人が?


そう思うかもしれません。


確かに彼は、過去に「くそくらえ」という芝居を作り、その中で神を「ビクついた原始人が考え出した、バカげた迷信」と語りました。


結婚に至っては「憤り、恐れと批判への服従、子どもに対する過剰な心配、パートナーと何とかセックスするために、恋人時代のエロチックなイメージを必死に呼び起こそうと重ねる涙ぐましい努力が、発酵してよどんだ大釜」ともういいたい放題(笑)


ところが、彼がお笑いをやる理由は「人を笑わせたり、楽しめせて、世の中を少しでもいい場所にしたいから」というものでした。


マイヤーは素晴らしいユーモアセンスを持っていましたが、裏方に徹して、仲間を助けていました。


作家たちのなかでも最も人気のある仕事が、エピソードの最初の草案を書くことですが、マイヤーはアイディアは出すものの草案作成は人に譲り、自分は面倒な修正の作業を行っています。


自分よりもグループにとって何が最善かを考えて行動するのは、ギバー特有のもの。


「自分よりも人を気づかう人」という評判が広まり、彼の突飛なアイディアや冒険もみな受け入れてくれるようになりました。



このように実に個性豊かな人物が、テイカーやギバーとして彼らの人生とその顛末を披露してくれています。


彼らのキャラクターを実例として楽しみつつ、その人生を通して、分かることを心理学の視点からアダム・グラントが見事に解説しています。

項目評価
文章の読みやすさ4 out of 5 stars (4 / 5)
ギバーとテイカーの実例のおもしろさ5 out of 5 stars (5 / 5)
読了後の人間通のスキルアップ5 out of 5 stars (5 / 5)
先見の明を養える5 out of 5 stars (5 / 5)
この本をおすすめしたい人
  • 信用時代を豊かに成功していきたい人
  • 新時代の価値観を養いたい人
  • 人間観察が好きな人
  • 「人間通」になりたい人

気になる人はぜひ、手にとってみてください。


個人としては、文句なしでおすすめできます。

まとめ〜大切なことはGIVE&TAKEの主張をどう自分の人生に活かすか〜

GIVE&TAKEの中身の画像

いかがだったでしょうか。


個人の感想も含め、全力で「GIVE&TAKE」の魅力を紹介していきました。


以下この記事のまとめです。

「GIVE&TAKE」とは?

組織心理学の権威、アダム・グラントの著書。

人間のタイプをギバー、テイカー、マッチャーの3つに分けて、ギバーこそがこれからの時代に成功していくと説いている。

「GIVE&TAKE」の魅力

信用時代を豊かに生きていくための考え方が詰まっている。

また、実例として出てくるギバーやテイカーの人生がおもしろい。

人生と通して見える、成功の秘訣・失敗の要因もアダム・グラントが見事に解説している。

ただ大切なことは、「GIVE&TAKE」の主張を受けて、自分が今後の人生をどのタイプで生きようと決意し、行動するかだと思います。


私はこの記事を読んでくれた皆様が、ケネス・レイやジョナス・ソークのような末路をたどらず、シンプソンズの生みの親であるジョージ・マイヤーのように、本当の豊かさを手にしていただけたらと思っています。


本書の知識を糧に、そのための行動をぜひ起こしてみてください。

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