インナーチャイルドを癒すといいのは知っているんだけど、どうにも癒せない。
イメージワークとか、ヒーリング音楽とかそういうのも体験してみたけど、本当にこれで癒せているの?
実感がなくてよく分からない。
この記事ではそんな声にお応えしていきます。
- インナーチャイルドワークをやってみたけど、癒せている実感がない
- イメージワークが苦手。イメージに疑いを持ってしまう
- インナーチャイルドに愛情が湧かない
- インナーチャイルドが癒せない原因
- インナーチャイルドが癒せない人向けの癒しのワーク
インナーチャイルドを癒すとは?
はじめに、インナーチャイルドの癒しについてお話をしていきたいと思います。
インナーチャイルドの癒しとは、「リラックス」をしたり、「安心感を覚える」といった一般的な癒しとは少し違ってきます。
インナーチャイルドの癒しとは、「あの時感じきれなかった気持ち」を感じきり、「言えなかった言葉」を言うこと。
つまり、やりきれなかった思いを吐き出すことなのです。
これを「未完の完結」と言います。
私たちは感情を持った生き物ですが、感情が感じきれなかった時、その感情は時間の経過とともに忘れるかと思いきや、そうではありません。
感じきれなかった想いというのは、ずっと無意識のなかに残り続けてしまうものなのです。
その未完の感情を完結させていくには、過去に立ち返り、その時の感情を感じ直し、それをやりきるしかないのです。
これをトラウマの再現、とも言ったりします。
そのためインナーチャイルドの癒しは、体力を消耗しますし、時に辛い場面も出てくるのが特徴です。
インナーチャイルドが癒せない原因
インナーチャイルドを癒せない原因は、感情を出すことに抵抗があったり、出し方そのものを知らないといったことが挙げられます。
それでは、なぜ「感情を出す」ことがうまくいかないのでしょうか。
それは、「本音」と「やっていること・言っていること」が違うからです。
例えば、言動ではインナーチャイルドを癒そうとしながら、本音ではこんなことを思っているケースが多いです。
「インナーチャイルドなんか信じられない」
「こんなことして何になるの?」
「かわいくないなぁ」
「この子ばかりずるいなぁ」
こういった本音がいけないわけではないのです。
ただ、本音と言動との乖離がインナーチャイルドの癒しの妨げになってしまっています。
それでは、具体的な本音の例を一つ一つ見ていきましょう。
本音❶ 「インナーチャイルドなんて信じられない」
インナーチャイルドに会うには、イメージワークを用いることが多いと思いますが、イメージワークが苦手という人は少なくありません。
イメージワークとは、目を閉じて出てくるイメージや誘導によって現れたインナーチャイルドと対話をしていくものですが、イメージでインナーチャイルドが出てきてくれても
「信じられない」
「これは私の妄想では?」
という疑念が湧いた瞬間、冷めた気持ちに変わってしまいます。
イメージのなかに、心から没入できないと感情はなかなか出しきれていきません。
これには、インナーチャイルドという存在に半信半疑だったり、「いい大人がなにをやっているんだろう?」という恥ずかしさを持った時が多いと思います。
けれど、インナーチャイルドの癒しの本質を見ていくと、分かる通り、インナーチャイルドに会うことよりも、感じきれなかった感情を感じきるということが一番の目的です。
今、見ているインナーチャイルドが妄想でもなんでもいい。
とにかく、今感じているもの見ているものを、自分の感情を感じきる!
くらいに振り切って入りきると、涙が出てきたり、人目をはばからずイメージに没入できるのですが、気恥ずかしさや疑念によって、それが厳しい場合、癒しはなかなか進みにくくなってしまいます。
本音❷ 「寄り添い方なんて知らない」
インナーチャイルドを癒そうとする人はまず、インナーチャイルドが傷ついている人です。
その人たちがインナーチャイルドを癒すことで、現実世界を好転させていこうとイメージワークが行われますが、イメージワークの弱点がインナーチャイルドを自分とは切り離した子供のイメージとして扱うことです。
つまり、インナーチャイルドという子供を癒されたい本人が、その心に寄り添い、本音を聞いたり、抱きしめたりすることで、癒していこうとするワークなのです。
癒されたい本人がインナーチャイルドを癒すワーク。
そこがハードルです。
幼い頃に親からの愛情を感じられなかった人ほど、「寄り添い方」「愛し方」「慈しみ方」「守り方」「かばい方」などを学んでこれていないのです。
だから、インナーチャイルドがいざ目の前に現れてもどうしたらいいか分からなくなってしまいます。
優しい声かけをしたところで、本音では戸惑い、「どうやって寄り添っていけばいいの?」と思っています。
やってもやっても癒された実感がない時、そもそもの戸惑いがインナーチャイルドに伝わっている場合があります。
原因❸ 「インナーチャイルドより私が癒されたい」
これは私も突き当たった壁ですが、大人がインナーチャイルドを癒すことそのものに抵抗を覚えることがあります。
インナーチャイルドを癒そうとイメージワークなどに取り組んでいるのに、どうして癒すことに抵抗があるの?
不思議に思うかもしれませんが、これも少ない話ではありません。
これは先ほどの「本音❷ 寄り添い方なんて知らない」にも通じますが、インナーチャイルドが少しも癒えていない当初の段階では、本人が愛し方や寄り添い方というものを知りません。
そのために、まずインナーチャイルドに向き合うと、「私の方が癒されたいのに!!」という思いが先行してしまうことがあります。
私の場合は、インナーチャイルドを見ていると「この子ばかりこうやって庇ってもらえてずるい!」という気持ちが湧き出してしまうのです。
「かわいそうだったね」
「もう大丈夫だよ」
優しい言葉をかけたところで、インナーチャイルドは大人の本心を見抜きますから、心からの言葉でないと癒されていきません。
また、インナーチャイルドを癒すことが本人の癒しなのですが、イメージワークではインナーチャイルドが目の前にいるので、それが自分だという実感が湧きにくいというのもあります。
なので、「インナーチャイルド=私」なのに、この子ばかりずるい!という発想になりやすいと言えるでしょう。
インナーチャイルドが癒せない時におすすめの方法
さまざまな理由でインナーチャイルドが癒せない状況が生まれていきます。
けれど、諦めないでください。
上記の理由で癒せていない人は、まずこれまでのインナーチャイルドワーク(特にイメージワーク)というものをやめて、以下の方法にチャレンジしてみてください。
それが「感情にフォーカスを当てて、本音を吐き出す」というものです。
それでは、具体的に見ていきましょう。
ステップ❶ 癒そうと思わなくていい
まず、「インナーチャイルドを癒そう」という気持ちを一度捨ててみてください。
なぜなら、インナーチャイルドワークがうまくいかない場合、その気持ちを抱くと、本音との乖離が起きてしまうからです。
インナーチャイルドの存在を信じきれない、気持ちへの寄り添い方を知らない、愛し方を知らない、そもそも嫉妬心が湧くなどの本音が先に出てきてしまいます。
本音を隠したまま、インナーチャイルドに優しい声かけをしたとしても、本音の方が彼らに伝わってしまうのです。
だとしたら、一度本音に沿わない思いを捨ててみましょう。
これがインナーチャイルドを癒せない人たちの本当の癒しへの第一歩です。
ステップ❷ 本音に気づく
次に、本音を見つけて、それを掬い出してあげましょう。
つまり、インナーチャイルドを癒せないあなたなりの理由を見つけるということです。
- こんなものただの妄想だ! やったところでなんの意味になるの?
- 愛し方なんか知らない! それなのにインナーチャイルドを愛せとかそんなの無理に決まっている!
- インナーチャイルドを癒せ癒せってそんなのばっかり疲れる! そもそも私が癒されたいのに!
なんで人お世話ばかりしないといけないの?
これらが本音です。
まず、その気持ちに気付いて目を止めてあげましょう。
ステップ❸ 本音をジャッジしない
出てきた本音、すべてOKです。
それはあなたの大切な気持ちです。
これはひどいことだとか、こんなこと思っちゃいけないとか、そんなことを思わなくていいのです。
自分の本音を裁かず、まずありのままの気持ちを認めて「そう感じたんだね。それでいいよ」と自分に言ってあげましょう。
ステップ❹ 本音を声に出す
本音を認めてあげたら、次にその本音を実際に声に出してみましょう。
「愛し方なんか知らない! それなのにインナーチャイルドを愛せとかそんなの無理に決まっている!」
そうやって、怒りやもやもやした気持ちをまず声に出して、吐き出してあげましょう。
何度も気が済むまで同じ言葉を言ってもいいですし、そこから、湧き出す言葉を次々と吐いていってもいいでしょう。
「だって、お母さんに愛してもらえなかったんだもん。私の願いなんて全部無視された。お母さんは私より、世間体の方が大事だったんだ。こんなの嫌だ。悲しい……」
ステップ❺ 感情を出し切る
もう一歩進んでいける場合は、本音を口にしている合間に、次の質問を自分にしてあげてください。
本当はどうしたかったの?
そして、その質問をした時に内側から湧き出してくる言葉をさらに吐き出していきます。
「だって、お母さんに愛してもらえなかったんだもん。私の願いなんて全部無視された。お母さんは私より、世間体の方が大事だったんだ。こんなの嫌だ。悲しい……」
ー本当はどうしたかったの?
「本当は……お母さんに私の存在を認めてほしかった。勉強できなくてもいい子でいられなくてもそのままを愛してほしかった」
こうして、本音の奥の本音をさらに吐き出していきます。
これを、もう感情が出ないと思うまで続けてください。
最初の頃は激しいデトックスが起きることが予想されます。
何日も涙が出続けることがありますが、それでももう出ない!と思うまで続けてください。
すると、あるところで気持ちがふっと軽くなるタイミングがあります。
それが出し切れた合図です。
インナーチャイルドの癒しには方法の合う・合わないがある
インナーチャイルドの癒しにはさまざまな方法があり、当然、合う・合わないがあります。
イメージ化するやり方が合わなければ、その方法を一度、手放してみてください。
大切なのは、方法にこだわることではなく、あなたが癒されていくという目的にこだわることです。
インナーチャイルドなんて癒せない、イメージワークが合わないという方はここで紹介した「感情にフォーカスを当てて、本音を吐き出す」という方法をぜひ、取り入れてみてください
また、こちらの記事では、そのほかのインナーチャイルドワークを紹介しています。
いろんなやり方にトライし、あなたなりの方法論を見つけてみてください。
また、癒し方に迷った時はカウンセリングを受けてみることもおすすめします。
「光の心理学」ではオンラインカウンセリングも行っていますので、お気軽にお尋ねください。
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