媚びを売っている女が嫌い! 都合よく女であることを使うな。
努力は人に見せるな! 人知れずコツコツやることが正義!
こっちが忙しくしているのに…。怠けている人を見るとムカつく!
巷に溢れているこんな意見。
実は「投影」という心理が隠されています。
この記事では、心理学用語「投影」を分かりやすく解説していきます。
「投影」という考え方を知ることで、あなたからしたら「間違っている!」と言いたくなる人も実はあなたに大切なことを教えてくれていることが分かるのです。
「投影」を知って、本来のあなたを取り戻していきましょう!
- 心理学用語「投影」を分かりやすく解説していきます
- 自分の中にある「投影」を見抜くコツ
- 人に「投影」してしまった時の対処法
- 人に「投影」されてしまった時の対処法
この記事を書くのは、心理学×未来予測ブロガーのゆめです。
私はこれまでたくさんの嫌いな人に出会い、その人たちに「投影」をしてきました。
「この人のここが間違っている」
「ずるい」
「ひどい」
「あり得ない」
いろんな理由を並べて、正義で人を裁いてきました。
けれど心理学を学び、それらが自分の防衛機制からくる「投影」であることを知っていきました。
「投影」を正しく理解し、自分の影を自分に取り戻していくことで人は本来の輝きを取り戻すことができます。
投影とは
自分の中にある衝動や資質をまるで人が持っているかのように、感じてしまう心の動きのこと。
「私はあなたを認めない」は「あなたは私を認めない」に、「私は迷惑をかけてはいけない」は「人は迷惑をかけてはいけない」に置き換わる。
悪い面が強調されることが多いものの、「私は素晴らしい=あなたは素晴らしい」などよい投影もある。
投影の仕組みは「“人は鏡”の意味とは?鏡に映った4つの自分の姿とその乗り越え方」でも詳しく説明しています。
投影とはまさに字の通り、自分自身の影を人に映すことです。
では、なぜ自分の持っている衝動や資質を、あたかも他人が持っているように感じてしまうのでしょう。
そこには、人の「自分の心を守りたい!」という気持ちが働いています。
投影は心の防衛機制
投影は、誰の心にも備わっている防衛機制が原因です。
防衛機制とは、好ましくない状況に直面した時に、不安や恐怖などを軽減させようとする心の動きのことで、全ての人に存在しています。
防衛機制を唱えたのは、オーストラリアの精神科医であったジークムント・フロイト。
後に娘であり、後継者であるアンナ・フロイトによって10種類目に整理されました。
- 退行:幼児期のような行動をとるなど、未発達な段階に逆戻りをすること
- 抑圧:衝動・願望があることを拒否して、意識に現れないようにすること
- 反動形成:認めたくない衝動が現れた時に、その反動として反対の衝動に変化すること
- 分離(隔離):自我を守ろうとして、感情と行動が切り離されること
- 打ち消し:自分の過去の行動を忘れたかのように、反対の行動をとること
- 投影:自分の感情を人のもののように転嫁すること
- 取り入れ:真似るなどして、人の感情や衝動を自分自身のものとして受け入れること
- 自己への向き変え:相手に向けている感情を自分自身に向けること
- 転倒:感情や欲望を反対の性質のものに変化させること
- 昇華:自分の感情や衝動を社会的が望ましいとする方向の感情や衝動に変化させること
「投影」の目的は自分が持っている「嫌な部分」を認めたくないために、その「嫌な部分」を影として人に押しつけることで、自らの影から逃れることにあります。
なぜなら、自分の否定している部分を認めるのは、とても勇気がいることだから…。
けれど、人の心は実に様々な面を持っています。
心優しい人にも、ずるい部分があり、出し抜きたい気持ちが出ることもあれば、打算的になることもあるでしょう。
人である以上、「清く・正しく・美しく」だけではいられないのです。
打算的な自分があることも許して、認めていればよいのですが、「人には優しくしなければいけない。打算的であってはいけない」と強く、自分の気持ちを制御しようとしてしまった時、打算的な自分は「影の自分」として、自分から罰される存在になってしまいます。
そうして、打算的な人が目の前に現れた時、そこに「自分の影」を見てしまい、嫌悪したくなってしまうのです。
その打算的に見える相手はただ普通にその人らしく振る舞っているだけでも、あなたからは酷い人間に見えてしまうのです。
日常で起きる投影の例
ここでは、日常で起きやすい投影の例を見ていきます。
投影とは、無意識で行われる心の防衛機制なので、投影をしていても、またされていても気づきにくいことが特徴ですが、パターンを知っておくことで、身近な投影を見抜きやすくなっていきます。
投影のCASE1:嫌いという気持ち
媚びを売っている女が嫌い! 都合よく女であることを使うな。
この女性は媚びを売っている女性が嫌っています。
女性であることを「売り」にして、いい思いをしていることをいけないことだ、と思い込んでいるのです。
この女性の中には、女性であることを使って甘えたいという欲求があります。
けれど、その欲求を「いけないこと」として押さえ込んでいるために、媚びを売っているように見える女性を嫌っているのです。
自分がやってはいけないと思っていることをいとも簡単にやっている人がいた時に、人は相手があたかもいけないことをしているように感じてしまいます。
けれど、そこには本人の「本当はしてみたい」という欲求が潜んでいるのです。
投影のCASE2:相手を裁きたい気持ち
努力は人に見せるな! 人知れずコツコツやることが正義!
この男性の中には、努力を人に見せることがいけないことだ、という強い正義感があります。
そうして、努力を見せている人に対して、自身の正義感を持って、「あなたのやっていることは間違っている」と言っています。
この男性は努力を見せて、例えば人に応援をしてもらっているような人をうらやましく思っているのです。
けれど、自分は努力は人に見せるものではない、と信じているので、その努力の過程を人に見せることができないのです。
だからこそ、自分ができないことをやって人から援助や共感をもらっている人に対して、「あなたは間違っている・おかしい」ということを言いたくなってしまっています。
自分の正義感を貫くことで、自分が否定した欲求を抑えようとしているのです。
投影のCASE3:腹立たしいという気持ち
こっちが忙しくしているのに…。怠けている人を見るとムカつく!
この女性は「怠けている」ように見える人に対しての怒りがあります。
自分が忙しくして、休んだり、怠けたりする余裕がない(もしくは許していない)ので、それをしている人への羨ましさがあるのです。
「なんで怠けていられるの?」
その言葉の裏には、自分だって休みたい・怠けたいという欲求が潜んでいます。
けれど、自分はそれができない状況であったり、休むことがいけないことだと信じているため、怠けている人への怒りを覚えてしまうのです。
投影のCASE4: 疑う気持ち
彼氏が浮気をしているかもしれない。怪しい!
こんな気持ちの中にも投影が潜んでいるケースがあります。
この女性の中に本当は「浮気をしたい」という気持ちが潜んでいて、でもそんなことをしてはいけない!と自分を罰していたとします。
すると、自分の欲求が彼氏に投影されてしまい、彼氏の行動がちくいち怪しく見えてしまったりします。
彼氏には浮気願望はないのに、友人との電話で席を立った瞬間「私に聞かれてはいけない話!?」と疑ってしまいます。
実は、やましい気持ちは相手にあるのではなく、この女性の中にあるのです。
けれど、投影をしてしまっている時は自分自身の願望に目を止めていくことができません。
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