「繊細さん」の本って話題になっているけど、どんな本?
私に役立つのかな?
自身もHSPの心理学ブロガーがそんな疑問にお答えします
- 「繊細さん」の本のあらすじが分かります
- HSPの心理学ブロガーによる本の感想を知ることができます
- 「繊細さん」の本と、これまでのHSP関連本との違いが分かります
- 「繊細さん」の本がHSPの人にどのように役立つかが分かります
この記事を書くのは心理学ブロガーのゆめです。
自身も内向型HSPです。
かつてひどい人疲れに悩まされていましたが、現在はHSPのまま健やかな日常を送っています。
そこに至ったのは、HSPへの理解を深め、その気質を大切にした生活が送れるようになったため。
HSPの知識を深めるために読んだのが、「繊細さん」の本でした。
自身もHSPで悩んできたからこそ、「繊細さん」の本が画期的な切り口のHSP入門書であることが分かります。
「繊細さん」の本は、HSPの抱える問題を画期的な切り口で根本解決へと導いてくれます。
この記事では、HSPの心理学ブロガーならではの視点で、
- 本の解説と感想
- 本のHSPに対する画期的な切り口について
- この本が実際、HSPの人にどのように役立っていくのかについて
お話ししていきます。
ネタバレを含む内容ですので、ご理解の上、お読みください。
「繊細さん」の本の概要
「繊細さん」の本は、HSPが楽に生きるためのノウハウを詰め込んだ書籍です。
アメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士が提唱した気質で、“Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)”の略。
「人一倍繊細な人」という意味です。
その割合は全体の15〜20%程度で、つまり5人の1人がHSPに該当します。
人より繊細・敏感と感じる人の多くはHSPの可能性があります。
詳しくは、【HSPとは?】23の質問によるHSP診断|生きづらさの解消法ありをご覧ください。
アーロン博士によるHSP診断テストもあります。
「繊細さん」の本は、2018年8月5日発行から重版に重版を重ね、2020年11月時点で45万部を突破。
さらに、Amazon「本」ランキングで総合1位を獲得しています。
なぜ、この本がここまで人気なのか。
それは、HSPという一見分かりにくい気質を「繊細さん」と呼んだ親しみやすさと、問題解決に対する画期的な切り口にあります。
「繊細さん」の本の画期的な切り口とは
「繊細さん」の本は、「繊細な感性を大切にしたまま、ラクに生きる方法」を書いた書籍です。
実は、これがHSPの人からすると目からウロコなのです。
HSPの人はその繊細さゆえに「気がつきすぎてストレスを抱えやすい」という問題を抱えがちです。
そしてこれまでHSPを克服したり、鈍感になっていこうとすることで問題の解消を目指す傾向がありました。
ところが、繊細さとはHSPにとって持って生まれたキャラクターのようなもの。
そもそも気がついているものを、「気がつかないようにしよう!」というのは難しいのです。
「繊細さん」の本では、HSPのキャラクターを上手に生かすことがむしろ、生きやすくなると説きます。
また、HSPの気質を肯定しつつ、ストレスを感じない生き方を、行動・マインド・アイテムなどあらゆる方面から紹介しているのです。
HSPを克服するべきものと捉えず、むしろその気質を活かす。
気にしすぎなことを気にしていたHSPにとっては、自分の個性を肯定してもらえる優しい切り口になっているのです。
HSPの心理学ブロガーによる感想
とても読みやすく、著者の優しさが伝わってくる本でした。
HSPを親しみを込めて、「繊細さん」と呼び、始終優しい語り口でHSPを全肯定しているので、HSPの自分に自信が持てます。
読後、まるで良質なカウンセリングを受けたような暖かい気持ちに包まれました。
また、HSPという気質を「繊細さん」という言葉に置き換えた点も秀逸です。
とにかく、親しみやすい・分かりやすいというだけでなく、HSPだと自覚がない人にも疲れやすさの原因は気質にあるのだと気づいてもらいやすい仕掛けになっています。
私もそうでしたが、繊細な人の多くは、はじめからHSPという気質を知っているわけではありません。
知らないまま、なんだか気疲れが多い・人ごみに疲れるなどの悩みを抱えているのです。
そんな人に向けて、「繊細さん」という言葉で訴えたことで、「あ、私のことかも?」とHSPを知らない人にも言葉を届けることができたのだと思います。
結果、これだけ多くの人に寄り添えるヒット本になりました。
私も正直もっと早くこの本に出会いたかったと感じています。
私がHSPという気質を知ったのは、数年前。
異常な人疲れに悩んだ時でした。
けれど、当時はまだインターネットの検索で上位に上がっているHSPの概念は「HSP=自己肯定感が低い」というものが大多数でした。
悩んでいる挙句、「あなたの自信のなさが問題なのよ」と言われているようであまりいい気持ちがしませんでした。
数年前は、今よりもHSPに優しい世界ではなかったのです。
そんな頃、「繊細さん」の本に出会っていたら…と思います。
これだけ優しい視点で、HSPに寄り添ってくれる本はなかなかありません。
気質があるから悩むのではなく、気質を全肯定した上で、気質との付き合い方を考えていく。
著者の提示してくれる対処法は「我慢しない」が前提にあるので、取り組むことでどんどん自分らしさが磨かれ、自然体になっていけると思います。
気づきすぎて疲れるという人はもちろん、遠慮せず自分らしく生きていきたいと感じる人にもおすすめな一冊です。
評価は以下の通り。
HSPに対する優しさ | (5 / 5) |
書籍の読みやすさ | (5 / 5) |
読後の安心感 | (5 / 5) |
実践のしやすさ | (4 / 5) |
著者プロフィール
九州大学工学部機械航空工学科卒業後、大手メーカーに就職し、技術者として研究開発に携わる。
特許出願で表彰されるなど、仕事で成果は出していたものの、どれだけ評価されても「あれもこれもやらなくては!」と自分に鞭を打ち、毎日夜中まで働く日々を送る。
しかし、新商品の発売日が迫り、あまりの忙しさに休職者が出始めた頃、ぷつんと糸が切れたように会社に行けなくなりそのまま休職。
そうして、一人の時間を持つようになると、これまで仕事に追われ、職場で人の役に立たなければ!と気を張っていた自分とはまるで違う、繊細な自分に出会う。
その頃に、アーロン博士の本『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』を読み、HSPという気質を知る。
会社を退職後、相談業を開始。
声のトーン、仕草、目の動き、特有の言葉使いなど、些細なことに気づけるHSPの気質を活かし、これまで600名を超える繊細さんと出会う。
現在、日本で数少ないHSP専門カウンセラーとして活動中。
「繊細さん」の本のテーマ
「繊細さん」の本のテーマはずばり、「自分らしく楽に生きていこう」。
これに尽きると思います。
あなたがあなたらしく生きていった時、HSPの抱えるストレスはあなたが自分の心の声を大切にしていなかったから起こっていたのだと知ります。
HSPの個性を生かしはじめた時、それはストレスの種ではなく、強みに変わっていきます。
「繊細さん」の本は始終優しく、そのことを伝えてくれるのです。
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