インナーチャイルドってどこにいるの?
どうやったら見つけられるのかな
インナーチャイルドは私たちが普段意識することができない潜在意識(無意識)のなかにいるんだよ。
そして、現実には見えない存在。
その見えないインナーチャイルドを見つけるには、
1.投影(シャドウ)を利用する
2.感情を具現化する
が効果的。
この記事では、誰でもすぐにインナーチャイルドを見つけられる2つの方法を解説していくよ。
- 誰でもできるインナーチャイルドの2つの見つけ方が分かります。
- インナーチャイルドを見つけた上での癒し方が分かります。
8年ほど、独学で心理学を学んでいます。
この記事は私がインナーチャイルドを癒す過程で実践してきた最も効果的なインナーチャイルドの見つけ方について、初めての方でも実践しやすいよう実例を用いながら、解説していきます。
インナーチャイルドの見つけ方
インナーチャイルドとは、直訳で、“内なる子ども”。
「傷ついた子どもの心」を指します。
もう少し踏み込んだ言い方をすると、私たちが過去に学んできて、そうだと信じている「大抵はネガティブな感情を伴うセルフイメージや価値観」のこと。
インナーチャイルドについての詳しい解説は「【インナーチャイルドとは?】3つの原因と日常に与える影響・癒し方を徹底解説」もご覧ください。
インナーチャイルドは普段、潜在意識のなかにいて、私たちに「反応」や「パターン」でその存在を知らせてくれます。
つまり、インナーチャイルドを見つけるには、私たちのなかにあるお決まりの「反応」や「パターン」を探っていけばよいのです。
次のような悩みは、あなたのなかにありますでしょうか?
- 目上の人に必要以上に気を使ってしまう
- パートナーとは上下の関係になりやすい
- 甘える、頼るのが苦手
- 大勢のなかにいると仕切らなきゃ!と責任を感じてしまう
- 人からの頼み事が断れない
- 楽をしている人を見ると腹が立つ
- お金はほしいけどお金持ちは汚いと思う
etc……
そういったあなたのなかの「反応」や「パターン」こそがインナーチャイルドが潜在意識から現実に現れた姿なのです。
そこから、インナーチャイルドを見つけていくには大きく分けて2つの方法があります。
- 投影(シャドウ)を利用する
- 感情を具現化する
それでは、それぞれの具体的なやり方について見ていきましょう。
インナーチャイルドの見つけ方1:投影(シャドウ)を利用する
インナーチャイルドはまず、投影(シャドウ)を利用することで見つけることができます。
自分の中にある衝動や資質をまるで人が持っているかのように、感じてしまう心の動きのこと。
「私はあなたを認めない」は「あなたは私を認めない」に、「私は迷惑をかけてはいけない」は「人は迷惑をかけてはいけない」に置き換わる。
悪い面が強調されることが多いものの、「私は素晴らしい=あなたは素晴らしい」などよい投影もある。
心理学用語の投影とその仕組みについては「心理学用語「投影」をやさしく解説!|嫌いな人はあなたの鏡!?|【対処法あり】」「“人は鏡”の意味とは?鏡に映った4つの自分の姿とその乗り越え方」でも詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
つまり投影とは、自分を否定している部分が相手に影として映し出される、ということです。
そして、インナーチャイルドがある場合、否定している影が相手に映し出されやすくなり、日常でこの投影が起こりやすくなっていきます。
なぜなら、インナーチャイルドはあなたが傷ついた経験から生まれている価値観やセルフイメージなので、その経験の大抵が「自己否定」に繋がっているのです。
「自己否定」をしたまま、大人になった時、他者に投影として自分の影が映し出されてしまうのです。
インナーチャイルドと投影の関係は例えば次のようなものです。
子供時代、はしゃぐとひどく怒られた経験がある。
↓
子供なりに「うるさいと怒られる、はしゃぐのはダメだ」と感じた経験値を得る。
↓
子供の解釈で元気な自分を否定する。(インナーチャイルドの誕生)
↓
大人になって、自分を意見を堂々と言えないという反応が出てくる。(インナーチャイルドの反応)
↓
逆に、元気な人・うるさい人を見るとイライラする感情が生まれる。(投影の発生)
投影は日常の悩みの種ですが、逆を言えば、インナーチャイルドの存在を示す手がかりになります。
インナーチャイルドを見つけるには、この投影を利用していけばよいのです。
それでは、具体的なステップを見ていきましょう。
ステップ1:相手に抱くネガティブな感情に着目する
投影は、相手の否定からはじまります。
「この人、嫌だなぁ」
「目につくなぁ」
「なんか、あの人を見ているともやもやする」
「反抗したくなる」
「口出ししたくなる」
まず、そのネガティブな感情に目を止めていきましょう。
そして、苛立ちやムカムカや怖い気持ちをしっかり感じて、その気持ちにOKを出していきましょう。
どのような感情であれ、否定せずにまずそのままを受け止めてあげることがとても大切なステップになります。
ステップ2:なにが言いたいのかを考える
次に、そのネガティブな感情を通して、あなたが相手になにを言いたいのか考えていきます。
「どんなところが嫌?」
「なんでそう感じる?」
そんな質問をネガティブな感情に投げかけてあげるといいと思います。
「楽をするなんてずるい!」
「わがまま放題で鼻につく!」
「アドバイスしているのに、言う事聞かないのが嫌!」
色んな答えが返ってくることと思います。
それもすべてOKを出して認めてあげてください。
ステップ3:相手に言いたい言葉を本当は自分に言っていることに気づく
その相手に対して言いたい言葉は、先に伝えた通り、実はあなたがあなた自身に言っている言葉です。
あなたが自分を否定している姿が投影というシステムによって、誰かに映し出されているだけなのです。
あなたが相手に言いたい言葉をこのように変換してみてください。
楽をするなんてずるい! ⇨ 楽しちゃいけない!
わがまま放題で鼻につく ⇨ わがまま言っちゃいけない!
アドバイスしているのに言うこと聞かないのが嫌! ⇨ 人の言うことを聞かなきゃいけない!
実はそのような言葉であなたはあなた(インナーチャイルド)を否定しているのです。
ステップ4:自分を認め、許す
あなたが否定しているもの、それこそがインナーチャイルドです。
インナーチャイルドはいつでもあなたのなかにいるのです。
目に見えない今もちゃんと。
インナーチャイルドの存在を感じたら、イメージのなかでインナーチャイルドに会いに行ってください。
どんな姿をしていますか?
どんな表情をしていますか?
どんな服?
どんな髪型?
年は?
気持ちは?
そんなことを探ってみてください。
そして、その子にあなたがこれまで否定してきたことを謝り、その子が自由になることを許してあげてください。
例えば、「楽をしちゃいけない!」とインナーチャイルドを責めてしまっていたのなら、「楽をしちゃいけないって怒ってごめん。怠け者は嫌われるって信じていたんだ。でも人間、楽したい時もあるよね。それは私も同じだよ。これからは心に素直に生きていくよ」と声をかけてあげてください。
その子と和解をできたなら、インナーチャイルドは癒されていきます。
イメージワークが苦手な方は、自分を否定してきたことを自分に謝り、自分を許す声かけをしてあげましょう。
「インナーチャイルドが癒せない人必見!癒せない人のための癒し方とは」では、イメージワークが苦手な場合の癒し方について詳しく解説しています。
「投影でインナーチャイルドを見つけられたはいいけど癒せない!」と感じる方は参考にしてみてください。
インナーチャイルドの見つけ方2:感情を具現化する
投影は投影される他者がいる時に有効な方法ですが、「感情を具現化する」というやり方は、特定の相手がいなくても行うことができます。
それは、出てきた感情を捕まえて、形にし、対話していくというものです。
このやり方では、怒りや悲しみといった感情はもちろん、言葉にならない不快感やイライラ、もやもやといった感情もしっかりとらえてあげることができます。
感情は起きた出来事に対するあなたの反応です。
- 嬉しい。
- 悲しい。
- 腹が立つ。
- もやもやする。
- 怖い。
etc……
そして、ネガティブな感情の裏側には、その出来事に引っかかりを感じ、ネガティブな反応を起こしているインナーチャイルドの姿があります。
そのインナーチャイルドを出てきた感情を手がかりに探してあげるのです。
それでは、具体的にやり方をみていきましょう。
ステップ1:感情のある場所を探る
まず、起きた出来事に反応をして、感情が出てきたら、その感情が体のどこにある感じがするのかを探っていきます。
手の平から光の板が出ているのをイメージをし、頭の天辺から足の爪先まで、スキャンをするように通してあげます。
そして、感情が湧き出す場所を見つけてあげましょう。
怒りだったら頭の近く?
もやもやは胸のあたり?
不安は喉元?
恐怖はお腹の下?
自分の感じた感覚をそのまま大切にしてあげてください。
ステップ2:感情の形、色、大きさ、感触を想像する
次にその感情の形、色、大きさや感触などを感じてみましょう。
トゲトゲ?
チクチク?
四角い?
青い?
グレー?
赤っぽい?
50センチくらい?
バスケットボールくらい?
拳くらい?
ざらざら?
つるつる?
柔らかくてプリンみたい?
冷たくて固い?
ステップ3:感情に名前をつける
先ほど、イメージをより具体的に捉え直すことで、見えなかった感情がまるで別の生き物のように感じられてくることと思います。
最後に、その感情に名前をつけてあげてください。
「青くん」
「もやもやプリン」
「トゲトゲハート」など。
ビジュアルからイメージしてもいいと思います。
色や形をイメージし、名前をつけることで、当初はよくわからなかったものも、まるで別の生き物のように捉え直すことができます。
ステップ4:感情と対話をして、願いを聞く
最後に、その子と向き合い、本当の願いを聞いてあげます。
インナーチャイルドは「我慢」をしています。
その我慢を解いてあげ、我慢をしなくていいならなにがほしかったのか、どんなことを叶えたかったのかを聞いてあげることで、感情解放と共に、あなた自身が自己実現への道に進んでいくことができるのです。
そのために使う質問はこの3つです。
- 「どんな気持ち?」
- 「どうしてそう思うの?」
- 「本当はどうしたかったの?」
それでは、具体的な対話の例を見ていきましょう。
【もやもやプリン】との対話
CASE:
お付き合いしている彼が家事を手伝ってくれない。言いたいことがたくさんあるのに、いつも言えなくてストレスを溜めている。そのストレスを具現化していくと、もやもやプリンが生まれた。
対話例:
ーもやもやプリンちゃん、どんな気持ち?
「もやもやする」
ーどうしてそう思うの?
「○○くんが家事を手伝ってくれない。いつも私ばかりたくさんやっている」
ーそれはどんな気持ち?
「すごく嫌だ」
ーどうしたいの?
「手伝ってほしいって言いたい!」
ー言ってもいいよ
「怖い」
ーどうしてそう思うの?
「だって、嫌われちゃう」
ーそうなんだね。どうしてそう思うの?
「わがままを言うとお母さんに迷惑をかけちゃう」
ー素直な気持ちを伝えることをわがままだって思ったんだね
「うん」
ーもう我慢しなくていいよ。わがままはダメって"私"があなたを制限してきてごめんね。我慢しなくていいなら、本当はどうしたい?
「言いたいこと言いたい! 人とぶつかってみたい!」
3つの質問を組み合わせてあげることで、インナーチャイルドの本当の願いに辿り着くことができます。
このケースではその後、「パートナーに言いたいことを言う」というチャレンジをしていくことで、もやもやは解消され、現実も好転していきます。
日常のインナーチャイルドとの向き合い方
これまでインナーチャイルドの見つけ方と癒し方を話してきました。
こういった取り組みを続け、インナーチャイルドを見つけ、癒すことが上手になると、インナーチャイルドがふとした日常のなかで顔を出してくるようになります。
昔を思い出して悲しくなったり、怒りっぽくなったり……。
これまで押さえていたブロックが外れ始めると、どうしても「感情的になりやすい時期」が出てくるのです。
けれど、感情が湧いてきた瞬間にセルフセラピーができればよいものの、仕事中などで今すぐできないこともあると思います。
そんな時に活用できるのが、マインドフルネスの「ラベリング」という手法です。
やり方はとてもシンプル。
カッと感情が湧いてきたら、その感情に対し、「そうだよね」「感じてもいいよ」と自分に許可を出すだけです。
感情は押さえつけようとすると、逆に暴れだすという性質を持っています。
そのため、まずラベリングでそれがあることをまず「認める」ことが大切なのです。
私がお世話になっていたカウンセラーの方に言われた言葉で、今でも大切にしているものがあります。
「大切にするってどういうこと?」と私はその方に聞きました。
その方はこう答えたのです。
大切にするとは、それがそこにあるということを認めるということです。
花が咲いていたとしたら、こう言いましょう。
“咲いているんだね。それでいいよ”
これが世界で一番シンプルな大切にするということです
ラベリングで認めたインナーチャイルドは、大切にされたと感じ、暴れださずに収まっていきます。
落ち着ける時間が取れたら、ゆっくり感情の浄化をしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
インナーチャイルドは目には見えない存在ですが、あなたの出来事への「反応」とそこに湧き出す「感情」に注目していくことで、見つけていくことがきます。
以下この記事のまとめです。
- 投影(シャドウ)を利用する
- 感情を具現化する
ステップ1:相手に抱くネガティブな感情に着目する
ステップ2:なにが言いたいのかを考える
ステップ3:相手に言いたい言葉を本当は自分に言っていることに気づく
ステップ4:自分を認め、許す
ステップ1:感情のある場所を探る
ステップ2:感情の形、色、大きさ、感触を想像する
ステップ3:感情に名前をつける
ステップ4:感情と対話をして、願いを聞く
見つけることが難しいと思う方はぜひ、トライしてみてください。
そして、見つけた時には彼らの本当の気持ちや願いに耳を傾けてください。
大切なことに気づいたり、自分を知るきっかけになることと思います。
また、インナーチャイルドとの対話ははじめはカウンセラー主導の元、行うのが何より近道にはなります。
上記のやり方でもインナーチャイルドが見つけられない、対話がうまくいかない、癒される感覚が分からないなどの問題がある場合は、オンラインカウンセリングもお気軽にお尋ねください。
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