
インナーチャイルドは私たちが普段意識することができない潜在意識(無意識)のなかにいるんだよ。そして、現実には見えない存在。
普段は意識できず、目にも見えないインナーチャイルドをどうやって見つけていったらいいの?って確かに不思議だよね!
今日はそこを解説していくよ。
この記事はこんな方におすすめです。
・インナーチャイルドを見つけたい方
・インナーチャイルドを自分で癒していきたい方
もくじ
インナーチャイルドの見つけ方
インナーチャイルドとは、私たちが過去に学んできて、そうだと信じている「ネガティブな感情を伴うセルフイメージや価値観」です。
インナーチャイルドは普段、潜在意識のなかにいて、私たちに「反応」や「パターン」でその存在を知らせてくれます。
つまり、インナーチャイルドを見つけるには、私たちのなかにあるお決まりの「反応」や「パターン」を探っていけばよいのです。
あなたのなかにひとつはあるのではないでしょうか?
- 目上の人に必要以上に気を使ってしまう
- パートナーとは上下の関係になりやすい
- 甘える、頼るのが苦手
- 大勢のなかにいると仕切らなきゃ!と責任を感じてしまう
- 人からの頼み事が断れない
- 楽をしている人を見ると腹が立つ
- お金はほしいけどお金持ちは汚いと思う
etc……
そういったあなたのなかの「反応」や「パターン」こそがインナーチャイルドが潜在意識から現実に現れた姿なのです。
そこから、インナーチャイルドを見つけていくには大きく分けてふたつの方法があります。
- 投影(シャドウ)を利用する
- 感情を具現化する
それでは、それぞれのやり方を見ていきましょう。
インナーチャイルドの見つけ方1:投影(シャドウ)を利用する

投影(シャドウ)とは、その名の通り、影のこと。
Wikipediaではこのような説明がされていました。
心理学における投影(とうえい、英: Psychological projection)とは、自己のとある衝動や資質を認めたくないとき(否認)、自分自身を守るためそれを認める代わりに、他の人間にその悪い面を押し付けてしまう(帰属させる)ような心の働きを言う。
たとえば「私は彼を憎んでいる」は「彼は私を憎んでいる」に置き換わる。
これには責任転嫁(Blame shifting)が含まれ、たとえば習慣的に失礼なふるまいをしている人は、いつも他者を失礼な人だと言って回っているケースがある。一般的には悪い面を強調することが多いが、良い投影も存在する。
出典:Wikipedia
心理学用語の投影とその仕組みについてはこちらの記事でも詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
つまり投影とは、自分を否定している部分が相手に影として映し出される、ということです。
この投影がインナーチャイルドとどんな関係があるのか、ということですが、インナーチャイルドこそ、あなたが否定してきた自分だと言い換えることができるのです。

んん??
さっき、インナーチャイルドは自分のなかのネガティブな価値観って言ったよね??
それが否定してきた自分と同じなの??

うん。同じなの。
自分のことを否定してきたから、ネガティブな価値観が出来上がってしまったんだよ。
たとえばこう!
子どもの頃、はしゃぐと怒られた。
↓
うるさいと怒られる、はしゃぐのはダメだと感じた。
↓
元気な自分を否定した。
↓
大人になって、自分を意見を堂々と言えないという反応が出てきた。
「うるさいのはダメだ」という価値観は、元気な自分を否定したという過去があったから、つくられたものだったんだよ。
つまり、投影で相手を否定しているとき、それはまるで写し鏡のように自分のインナーチャイルドを否定していることになります。
この仕組みを利用して、インナーチャイルドを見つけていけばよいのです。
それでは、具体的なステップを見ていきましょう。
ステップ1:相手に抱くネガティブな感情に着目する
投影は、誰かへの否定からはじまります。
「この人、嫌だなぁ」
「目につくなぁ」
「なんか、あの人を見ているともやもやする」
「反抗したくなる」
「口出ししたくなる」
まず、そのネガティブな感情に目を止めていきましょう。
そして、苛立ちやムカムカや怖い気持ちをしっかり感じて、その気持ちにOKを出していきましょう。
ステップ2:なにが言いたいのかを考える
次に、そのネガティブな感情を通して、あなたが相手になにを言いたいのか考えていきます。
「どんなところが嫌?」
「なんでそう感じる?」
そんな質問をネガティブな感情に投げかけてあげるといいと思います。
「楽をするなんてずるい!」
「わがまま放題で鼻につく!」
「アドバイスしているのに、言う事聞かないのが嫌!」
色んな答えが返ってくることと思います。
それもすべてOKを出して認めてあげてください。
ステップ3:相手に言いたい言葉を本当は自分に言っていることに気づく
その相手に対して言いたい言葉は、先に伝えた通り、実はあなたがあなた自身に言っている言葉です。
あなたが自分を否定している姿が投影というシステムによって、誰かに映し出されているだけなのです。
あなたが相手に言いたい言葉をこのように変換してみてください。
・楽をするなんてずるい! ⇨ 楽しちゃいけない!
・わがまま放題で鼻につく ⇨ わがまま言っちゃいけない!
・アドバイスしているのに言うこと聞かないのが嫌! ⇨ 人の言うことを聞かなきゃいけない!
実はそのような言葉であなたはあなた(インナーチャイルド)を否定しているのです。
ステップ4:自分を認め、許す
あなたが否定しているもの、それこそがインナーチャイルドです。
インナーチャイルドはいつでもあなたのなかにいるのです。
目に見えない今もちゃんと。
インナーチャイルドの存在を感じたら、イメージのなかでインナーチャイルドに会いに行ってください。
どんな姿をしていますか?
どんな表情をしていますか?
どんな服?
どんな髪型?
年は?
気持ちは?
そんなことを探ってみてください。
そして、その子にあなたがこれまで否定してきたことを謝り、その子が自由になることを許してあげてください。
例えば、「楽をしちゃいけない!」とインナーチャイルドを責めてしまっていたのなら、
「楽をしちゃいけないって怒ってごめん。怠け者は嫌われるって信じていたんだ。でも人間、楽したい時もあるよね。それは私も同じだよ。これからは心に素直に生きていくよ」
など。
その子と和解をできたなら、インナーチャイルドは癒されていきます。
イメージワークが苦手な方は、自分を否定してきたことを自分に謝り、自分を許す声かけをしてあげましょう。
インナーチャイルドの見つけ方2:感情を具現化する

投影は投影される他者がいる時に有効な方法ですが、「感情を具現化する」というやり方は、特定の相手がいなくても行うことができます。
それは、出てきた感情を捕まえて、形にし、対話していくというものです。
このやり方では、怒りや悲しみといった感情はもちろん、言葉にならない不快感やイライラ、もやもやといった感情もしっかりとらえてあげることができます。
感情は起きた出来事に対するあなたの反応です。
- 嬉しい。
- 悲しい。
- 腹が立つ。
- もやもやする。
- 怖い。
etc……
そして、ネガティブな感情の裏側には、その出来事に引っかかりを感じ、ネガティブな反応を起こしているインナーチャイルドの姿があります。
そのインナーチャイルドを出てきた感情を手がかりに探してあげるのです。
それでは、具体的にやり方をみていきましょう。
ステップ1:感情のある場所を探る
まず、起きた出来事に反応をして、感情が出てきたら、その感情が体のどこにある感じがするのかを探っていきます。
手の平から光の板が出ているのをイメージをし、頭の天辺から足の爪先まで、スキャンをするように通してあげます。
そして、感情が湧き出す場所を見つけてあげましょう。
怒りだったら頭の近く?
もやもやは胸のあたり?
不安は喉元?
恐怖はお腹の下?
自分の感じた感覚をそのまま大切にしてあげてください。
ステップ2:感情の形、色、大きさ、感触を想像する
次にその感情の形、色、大きさや感触などを感じてみましょう。
トゲトゲ?
チクチク?
四角い?
青い?
グレー?
赤っぽい?
50センチくらい?
バスケットボールくらい?
拳くらい?
ざらざら?
つるつる?
柔らかくてプリンみたい?
冷たくて固い?
ステップ3:感情に名前をつける
先ほど、イメージをより具体的に捉え直すことで、見えなかった感情がまるで別の生き物のように感じられてくることと思います。
最後に、その感情に名前をつけてあげてください。
「青くん」「もやもやプリン」「トゲトゲハート」など。
ビジュアルからイメージしてもいいと思います。
色や形をイメージし、名前をつけることで、当初はよくわからなかったものも、まるで別の生き物のように捉え直すことができます。
ステップ4:感情と対話をして、願いを聞く
最後に、その子と向き合い、本当の願いを聞いてあげます。
インナーチャイルドは「我慢」をしています。
その我慢を解いてあげ、我慢をしなくていいならなにがほしかったのか、どんなことを叶えたかったのかを聞いてあげることで、感情解放と共に、あなた自身が自己実現への道に進んでいくことができるのです。
そのために使う質問はこの3つです。
- 「どんな気持ち?」
- 「どうしてそう思うの?」
- 「本当はどうしたかったの?」
それでは、具体的な対話の例を見ていきましょう。
【もやもやプリン】との対話
CASE
お付き合いしている彼は少し乱暴な性格。言いたいことがたくさんあるのに、いつも言えなくてストレスを溜めている。そのストレスを具現化していくと、もやもやプリンが生まれた。
「もやもやプリンちゃん、どんな気持ち?」
「もやもやする」
「どうしてそう思うの?」
「○○くんが家事を手伝ってくれない。いつも私ばかりたくさんやっている」
「それはどんな気持ち?」
「すごく嫌だ」
「本当はどうしたかったの?」
「手伝ってほしい! でも、その前に言いたいことをもっと表現したい」
「してもいいよ」
「怖い」
「どうしてそう思うの?」
「だって、嫌われちゃう」
「そうなんだね。どうしてそう思うの?」
「ママが……わがままは言っちゃダメっていうから」
「素直な気持ちを伝えることをわがままだって思ったんだね」
「うん」
「もう我慢しなくていいよ。わがままはダメって"私"があなたを制限してきてごめんね。我慢しなくていいなら、本当はどうしたい?」
「言いたいこと言いたい! 人とぶつかってみたい!」
3つの質問を組み合わせてあげることで、インナーチャイルドの本当の願いに辿り着くことができます。
このケースではその後、「パートナーに言いたいことを言う」というチャレンジをしていくことで、もやもやは解消され、現実も好転していきます。
日常のインナーチャイルドとの向き合い方
これまでインナーチャイルドの見つけ方と癒し方を話してきました。
こういった取り組みを続け、インナーチャイルドを見つけ、癒すことが上手になると、インナーチャイルドがふとした日常のなかで顔を出してくるようになります。
昔を思い出して悲しくなったり、怒りっぽくなったり……。
これまで押さえていたものが外れ始めると、どうしても「感情的になりやすい時期」が出てくるのです。
けれど、感情が湧いてきた瞬間にセルフセラピーができればよいものの、仕事中などで今すぐできないこともあると思います。
そんな時に活用できるのが、マインドフルネスの「ラベリング」という手法です。
そのやり方はとてもシンプル。
カッと感情が湧いてきたら、その感情に対し、「そうだよね」「感じてもいいよ」と自分に許可を出すだけです。
感情は押さえつけようとすると、逆に暴れだすという性質を持っています。
そのため、まずラベリングでそれがあることをまず「認める」ことが大切なのです。
私がお世話になっていたカウンセラーの方に言われた言葉で、今でも大切にしているものがあります。
「大切にするってどういうこと?」と私はその方に聞きました。
その方はこう答えたのです。
「大切にするとは、それがそこにあるということを認めるということです。
花が咲いていたとしたら、こう言いましょう。
“咲いているんだね。それでいいよ”
これが世界で一番シンプルな大切にするということです」
ラベリングで認めたインナーチャイルドは、大切にされたと感じ、暴れださずに収まっていきます。
落ち着ける時間が取れたら、ゆっくり感情の浄化をしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
インナーチャイルドは目には見えない存在ですが、あなたの出来事への「反応」とそこに湧き出す「感情」に注目していくことで、見つけていくことがきます。
見つけることが難しいと思う方はぜひ、トライしてみてください。
そして、見つけた時には彼らの本当の気持ちや願いに耳を傾けてください。
大切なことに気づいたり、自分を知るきっかけになることと思います。
インナーチャイルドってどこにいるの?
どうやったら見つけられるのかな