他者思考型ギバーと他のタイプの決定的な違い

なぜ、他者思考型ギバーはテイカーとの付き合い方にマッチャーというポジションを取っていくのか。
それは、他者思考型ギバーが自己犠牲型ギバー、マッチャー、テイカーと全く異なる思考をしているため。
そして、その思考を本質を知ることが他者思考型ギバーの戦略を核心を紐解くことになります。
他者思考型ギバーと他のタイプの決定的な違い、
それは自分も含め全体の利益が大きくなることに重きを置いているということ
です。
そうした方が、やがて自分の取り分も大きくなるという発想なのです。
この発想が彼らにどのように利益をもたらしていくのか。
分かりやすくしていくために、他者思考型ギバー、自己犠牲型ギバー、マッチャー、テイカーの利益の循環の仕方を再度パイに例えて見ていきましょう。
まず、自己犠牲型ギバーは相手に多くのパイを渡していきます。
ギバーやマッチャーからはお返しが返ってきますが、中に含まれたテイカーによって利益は搾取をされていきます。
結果、受け取る量は4タイプの中で最も少なくなっていってしまいます。

テイカーは自分の取り分を多くします。
食うわ食われるかの競争社会で生きるテイカーは自分の利益を損なうことを是が非でも避けたいと思うのです。
一見、多く受け取れているように見えるテイカーですが、テイカーには相手からのお返しが返ってきにくい傾向があります。
なぜなら、世の中の大半がマッチャーであり彼らは、「与えたら与えるけれど、不当な行いには仕返しをする」ことを理念に行動しているため。
テイカーには自己犠牲型ギバーからしかお返しが返ってこず、損失分をまかなうことはできません。

マッチャーはバランスが取れたタイプですが、テイカーからはお返しが得られず、このような結果になります。

果たして、他者思考型ギバーはどのような与え方をするのでしょうか。
他者思考型ギバーは、全体が豊かになることを考え、与える相手からテイカーを上手に排除し、ギブを行います。
他者思考型ギバーは相手に与えているようで、自分を含めた「WE」に与えているのです。
他者思考型ギバーが与えたパイは与えるという行為で大きく膨らみ、やがてそのパイが彼らも含めた「WE」の利益として還元されていきます。

自己犠牲型ギバー、マッチャー、テイカーの利益の循環が「I」から「YOU」であったのに対し、他者思考型ギバーは「I」から「WE」なのです。
与えるという行為に他者と自己の一体とものとして考える。
みんながよくなるという方向でギブを行う。
これが、他者思考型ギバーが成功者である本質的な由縁です。
成功者「他者思考型ギバー」になるための4つのルール

さて、いよいよ成功者「他者思考型ギバー」になっていくための4つのルールを見ていきましょう。
具体的には次の4つのルールがあります。
- 自分のタイプを診断する
- テイカーを避ける
- 与える目的を考える
- 与え方のルールを決める
けれど、ただ「他者思考型ギバー」の行動の表面を真似るだけでは、彼らに近くことができません。
具体的なルールを知る前にまず、彼ら特有の利益の追求の仕方について、押さえておきましょう。
利益の追求の仕方には大きく分けて2つあります。
- 自己の利益追求…自分の権力や業績を求めること
- 他者の利益追求…人の役に立とうとすること
他者思考型ギバーは他者の利益追求スコアが一般の人より大きいことは事実です。
けれど、彼らは一般の人に比べて、およそ20%も自己の利益追求も多いことが分かっているのです。
ビル・ゲイツは世界経済フォーラムの中でこのような言葉を残しています。
人間には二つの大きな力ー利己心、他者を思いやる心ーがある
ビル・ゲイツ
人は利己心と利他心の二つを掛け合わせていく時に最も大きな力を発揮します。
なぜ、彼らが利己心と利他心の双方を大切にしているのか、それは私も含めた「WE」の全体の豊かさに重点をおいているためです。
彼らはこう考えます。
私たちが豊かになるためにテイカーを避け、全体の喜びを考えて、与え方にルールを設けています、と。
次にお伝えする他者思考型ギバーになるための4つのルールは、その彼らの思考をなぞらえるものです。
表面の行動だけでなく、「私たちが豊かになるために」という本質を押さえた上で読み進めて見てください。
ルール1:自分のタイプを診断する
まずは、自分がギバー、テイカー、マッチャーのどのタイプに分類されるのかと診断していきましょう。
診断を行うことで、「他者思考ギバー」になるために自分の立ち位置を知り、思考の方向性をいかに変容させていけばいいかの指針になるためです。
タイプの診断は次の3つの質問から判別することができます。
- 最後通牒(さいごつうちょう)ゲーム2問
- 質問「あなたが影響を与えた人物か?」1問
ギバー、テイカー、マッチャー診断は「【ギバー、テイカー、マッチャー診断】3つの質問で判明|診断後の対策あり」より行うことができます。

各質問はギバー、テイカー、マッチャーのポイントが割り当てられていて、どのポイントが高いかであなたの現在のタイプが決定していきます。
ただ、タイプは確定されるものではなく、思考が変われば合わせて変化をしていくものです。
診断はあくまで「現在どの傾向が強いか」を知る目安にはなりますが、まずはタイプとその傾向をしっかりと把握しておきましょう。
ルール2:テイカーを避ける
テイカーを避けることは、全体利益を考えた時に大切なステップになっていきます。
奪われるだけの関係にもエネルギーを注いでしまうことで、あなたの限りある時間や資産が擦り減ってしまうだけでなく、全体にも悪影響が出てしまうためです。
投資・経営の世界でもこの「損切り」ができるかどうかが、成功者とそうでないものの命運を分ける重要なポイントであることは知られていますが、これは個人であっても同じことなのです。
自己犠牲型ギバーは「情」で、テイカーの損切りができずにいるパターンがあります。
けれど、もっと広い視野で全体の利益に着目してみてください。
例えば、あなたが経営者だったとして、赤字を出し続けている部署にお金を投資し続けた時、黒字を出している部署から資金を持ってこなくてはいけません。
すると全体の利益が下がってしまいます。
大切なのは、赤字を立ち直らせることではなく、ある程度の期限を決めて、赤字から手を引くことなのです。
シビアな決断を下すことは冷酷なことではなく、全体を思った上での英断になります。
そして、テイカーを避けた上であなたのエネルギーを本来、大切にしたいギバーやマッチャーに注いでいきましょう。
テイカーの見分け方や付き合い方は
「【テイカーとは付き合うな】引き寄せやすいタイプとは?|3つの対処法あり」
「【テイカーの特徴と誰でもできる4つの見分け方】テイカーを避けることが成功者への鍵!」
も参照ください。


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